ブンミおじさんの森 Uncle Boonmee Who Can Recall His Past Lives

ブンミおじさんの森 Uncle Boonmee Who Can Recall His Past Lives

アピチャートポン・ウィーラセータクン監督・脚本・製作のタイ映画。

この森では、どうやら過去や現在や未来の境がなくなり、生者と死者の境がなくなるようです。

病気で死を目前にしたブンミおじさん。日常ではありえない出来事が、当たり前のように起こります。

あまりネタバレしない方が良さそうな作品なので、多くを語るのを控えますが、見終わって「?」で頭がいっぱいになりました。観る人それぞれに、テーマやメッセージを違って受け取ることができる、深読みしだすときりがない、いやそれとも、そこまで考えなくていいのだろうか?

人の手の及ばない森という自然。また、人が生きることや人が死ぬことといった自然の摂理。そんな自然や自然の摂理の中では、人はとてもか弱い存在です。人の手の加わっていない森、人よりも長く存在し続けている、やけに湿度の高そうな森の見事さ。観た人それぞれの解釈や感想を聞いてみたい作品です。ご覧になったら、教えてくださいね。

夏を都会である東京で過ごしている私にとって(たまには「ブンミおじさんの森」のような自然の中で過ごしたいものです。そういう意味では、タイの森にいるような感覚を味わえる癒しの映画かも)、「仏教が熱心に信仰されているタイでは、こんなこともあるかもしれないな」「死んだら・・・」なんて、夢なのか現実なのか、前世なのか現世なのか境目が不確かなまま、蒸し暑い中、漂うような時間を過ごしました。

「筋書き」とか、「結末」とか、この作品の中では、あまり重要じゃないのかもしれません。全体的に画面が暗いので眠くなるかもしれませんが、決してつまらない作品でも、退屈な作品でもありません。

森の中をゆらゆらと漂いたくなったら、どうぞ。

<ブンミおじさんの森 Uncle Boonmee Who Can Recall His Past Lives>
監督&脚本&製作:アピチャートポン・ウィーラセータクン
製作:サイモン・フィールド
   :キース・グリフィス
   :シャルル・ド・モー

第63回カンヌ国際映画祭で、タイ映画史上初めてパルム・ドールを受賞。この時の審査委員長はティム・バートン監督。つまり彼の好みということです。ティム・バートン作品は、常に結末が用意されていますが(普通の映画作品では当たり前のことですけども)、「こういった味わいの作品も好きだったのだなぁ」と思いました。

2012年8月22日の感想

追記
名前の日本語発音表記は、アピチャッポン・ウィーラセタクンが最も近いようです。愛称は、ジョーさんです。

2020年、多摩美術大学特任教授。日本ともご縁ある映画監督です。
2021年、「MEMORIA メモリア」(ティルダ・スウィントン主演)が第74回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映され、審査員賞を受賞。

まさか「ブンミおじさんの森」を観た8年後の2020年、タイのドラマにハマり、浴びるようにタイ語を聞くことになるとは思ってもいませんでした。何が起こるかわからないものですね。2022年11月27日記

グリー glee

グリー glee

「グリー」、ご覧になったことはありますか。

SNSやゲームなどのインターネットメディア事業を展開している会社ではなく、ドラマの方です。
舞台・ミュージカル好き、また音楽好きにも、たまらない海外ドラマです。

「高校合唱部員たちと顧問教師ウィルの奮闘を描くミュージカルコメディー。
ドラマで歌われる楽曲は70年代ポップスから最新ヒット曲まで、世代を超えた名曲が満載!」(webより抜粋)

オープニングとともに「Jump」(1983)ヴァン・ヘイレンが流れ、エンディングは「Don’t Stop Believin’ featuring レイチェル&フィン」オリジナル曲(1981)ジャーニーで余韻に浸ります。毎回テーマにぴったりの楽曲、そして出演者たちのパフォーマンスが素晴らしい。

このドラマでは、アメリカの高校生には定番であるピラミッド型のヒエラルキーがあり、
アメフト部やチアリーディング部に所属することが人気者の頂点であるならば、
グリー部はいじめられっ子や個性的な子の集まったクラブ。
いわゆる「負け犬(ルーザー)」という底辺の扱いを受けています。

内容は青春ドラマではありますが、懐かしい楽曲も多いので、
30代40代50代さらに上の年代の方々も、きっと楽しめるのではないでしょうか。
オリジナルの曲を知っていれば知っているほど楽しめます。
「Somebody to Love」(1976) クイーンとか「smile」チャップリンとか、本当にイイのです。

ゲストの豪華さは、見どころのひとつです。
・ジョシュ・グローバン(Josh Groban)
・クリスティン・チェノウェス(Kristin Chenoweth)
ミュージカル「Wicked」のグリンダ役
代表作「きみはいい人 チャーリー・ブラウン」のサリー役、「ザ・ホワイトハウス」のシリーズ2004年秋からのシーズン、「奥さまは魔女」、「ピンクパンサー」、「プッシング・デイジー ~恋するパイメーカー~」のオリーヴ・スヌーク役など
・イディナ・メンゼル(Idina Menzel)
ミュージカル「Wicked」でエルファバ役
代表作「Rent」モーリーン役、「魔法にかけられて/Enchanted」、「Kissingジェシカ/Kissing Jessica Stein」など
・ジョナサン・グロフ(Jonathan Groff)

一見楽しい能天気なドラマですが、このドラマの製作者たちの意図は、
「自己があるがままの自己として存在するとき、他者からの差別や偏見があったとしても、
自己を表現することを恐れない。自己を表現したとき、自己だけでなく他者をも感動させる」です。

一方、差別される側の人間が悩みながらも自己を解放し歓喜していく課程をドラマで観ることで、
つまり私たちが追体験することによって、「差別・迫害をしない」、「そのままを受け入れる」と
自然と相手を思うことができるのではないでしょうか。

差別される側の人間とは、このドラマの中では、
性格上の個性があること、複雑な家庭環境であること、人種的なもの、宗教的なもの、
同性愛者であること、身体障害者であること、社会での少数派であることなど。

重くシリアスに描こうとすれば重厚感のあるドラマとして描けるものですが、
そこをあえて軽めのコメディードラマに仕上げているところが、とても好感が持てます。

最近の日本の学校でおこっている、すでに犯罪といっていい深刻な「いじめ」。
「自己があるがままの自己として過ごし、自己を表現できる学校・社会であって欲しい」そんな風に思います。

もしよかったらどうぞ。

<gleeとは>
自分を解放し歓喜すること。また合唱部の合唱のこと。
本作品の「グリー」は歌ありダンスありの「ショウ・クワイヤー(Show Choir)」。
エンターテイメント性に富んだパフォーマンスを繰り広げる。

<キャスト&スタッフ>
製作総指揮:ライアン・マーフィー
製作&脚本:ブラッド・ファルチャック
製作&脚本:イアン・ブレナン
ウィル:マシュー・モリソン
フィン:コーリー・モンテース
レイチェル:リー・ミッシェル
スー:ジェーン・リンチ
エマ:ジェイマ・メイズ
クイン:ディアナ・アグロン

2012年7月20日の感想

バザー 2022 学校

小雪を過ぎ、寒くなってまいりました。
今年2022年、残すところあと1ヶ月余り。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

コロナ禍で開催できていなかった母校のチャリティーバザーが
久しぶり開催されることとなり、お手伝いにまいりました。
人数制限をした上で、食品の出品なし、飲食店(模擬店)なしの、
こじんまりとしたバザーでした。

雨の寒い中でのバザーでしたが、
久しぶりに先輩や後輩や仲間たちとお目にかかり、
一緒にお店に立つことができて嬉しかったです。

今年は外からいらした方がほとんどいらっしゃらず、
生徒さんやそのご家族、先生方と事務職員さん、校友生という関係者ばかりでしたので、
いつも以上に学校内は昔と変わらない、ゆったりとした時が流れていました。
生徒さんたちの伸び伸びした様子が、まあ可愛くて。

コロナのクラスターが発生することもなく
(数日たっても何も連絡がないので、おそらく大丈夫なのだと思います)
順調に終えることができて良かったです。

回廊、2022

校庭、2022

ミスター・ノーバディ MR.NOBODY

ミスター・ノーバディ MR.NOBODY

2092年の近未来を舞台に、運命が次々と変わっていく男の人生を描いたSF作品。

久しぶりに面白い映画(WOWOW録画)を観ました。
人生は日々選択です。たった1つの道を選んで生きてくわけですが、選ばなかった選択肢はそれこそ無数です。主人公である118歳の老人ニモは、1つの道を選べず、だからこそ無限に広がり、誰でもない存在になってしまいました。

映像が非常に綺麗で凝っています。編集に時間をかけたとのことで、場面と場面の切り替わりが、とってもユニーク。今まで観た他の映画作品の印象的な場面が、別の時空・物語に繋がって広がり、まるで迷宮に迷いこんでしまったかのようです。

「アナとオットー ANA+OTTO:Los Amantes del Circulo Polar」(好きな作品のひとつ。スペイン映画、バスク地方出身の監督フリオ・メデムの作品。フィンランド・ヘルシンキの百夜、画面全体に漂う透明感のあるブルーが印象的。フェレ・マルティネスとナイワ・ニムリ出演)や「バタフライ・エフェクト:The Butterfly Effect」に雰囲気が似ているかもしれません。

「レクイエム・フォー・ドリーム:Requiem for a Dream」に出演していた、吸い込まれそうな瞳のジャレッド・レトーがニモを演じてます。彼の目力は尋常じゃないですね。

レクイエム・フォー・ドリーム
この瞳!

少し話はそれますが、「レクイエム・フォー・ドリーム:Requiem for a Dream」は、2009年のイギリスの映画雑誌「エンパイア」が発表した「落ち込む映画」ランキング第1位!

確かに落ち込む要素満載で、薬物中毒に陥った人々の悲惨な物語です。
あまりの恐ろしさに、観た人は、おそらく薬物には手がでないと思われます。「中学・高校・大学などの授業で、強制的に観せると良いのでは?」と個人的には思うのですけど、いかがでしょうか。ちょっと刺激が強いかなぁ。

「ミスター・ノーバディ」に戻ります。
137分間、飽きることなく、ありえないような、ありえるような(どっちなんだ~)、摩訶不思議な世界に連れて行ってくれます。
自分の選んできた道が、最良だと信じたいものですよね。

<ネタバレなしのあらすじ>
不死が実現した未来で、死を迎える最後の人間となった主人公。彼はありえたかもしれない幾多の人生を語り出す。奇才J・V・ドルマル監督が放つ異色のSFファンタジー。寡作だが作品ごとに世界的な評価を高めるJ・V・ドルマル監督が、「八日目」以来13年ぶりに発表した長編第3作。(WOWOWより抜粋)

監督:ジャコ・ヴァン・ドルマル
出演:ジャレッド・レトー、サラ・ポーリー、ダイアン・クルーガー
   リン・ダン・ファン、リス・エヴァンス、ナターシャ・リトル

2012年6月18日の感想

<薬物依存症とは>
薬物依存症は国際的に認められている精神障害のひとつです。
覚せい剤・シンナー・大麻などの依存性のある薬物を使いつづけているうちに心身に異変が生じ、薬物を使いたいという気持ちが強くなりすぎて、自分ではコントロールできなくなり、現実にいろいろと不都合が生じているにもかかわらず薬物を使いつづけてしまう障害です。

精神科での治療。人生をかける根気のいる治療になります。
またヨーガセラピーも役立つといわれています。

軽い気持ちではじめた若者や薬物とは縁遠かった人々の薬物中毒の恐ろしさをこれ程までに描いた作品は、「レクイエム・フォー・ドリーム」がダントツです。2022年11月26日記

グレーテルのかまど

グレーテルのかまど

皆様にとって、ほっとするお菓子、元気になるお菓子はございますか。
お菓子や食品だけではない、精神的な「元気の源」はございますか。

「グレーテルのかまど」
15代目ヘンゼル役の瀬戸康史くんが、かまど役のキムラ緑子さんと、番組のお菓子作りのスタッフの力を借りて、
テーマとなるお菓子の物語を交えながら、お菓子を作っていくテレビ番組です。

昨年(2011年)から、すっかりはまってしまいました。

美しくおいしそうなお菓子に、毎回「食べたいなぁ」という気持ちでいっぱいになります。
人と人との関係をつなぐお菓子が、本当に良いのですよね。
瀬戸くんと緑子さんのやりとりがとっても可笑しいんですよ。
お菓子を作る男の子は見ていて微笑ましいです。

今まで紹介された物語はこんな感じです。

小津安二郎の「ショートケーキ」、資生堂パーラー
池波正太郎の「ホットケーキ」、万惣(閉店)
手塚治虫の「チョコレート」
正岡子規の「桜餅」
宮沢賢治の「アイスクリーム」
スヌーピー(チャールズ・シュルツ)の「チョコチップクッキー」
イギリスグランマの「フルーツケーキ」
赤毛のアンの「チェリーパイ」

最近(2012年)は、「カンノーリ」
「ゴッドファーザー」に、たびたび登場するイタリアのシチリアのお菓子です。

番組はこのセリフからスタートします。

「うれしいとき、悲しいとき、もうひとふんばりしたいとき。
ひとくち口にすると、何だか元気になってしまうのがスイーツ。
皆さんがよくご存知の「あの人」にも、
スイーツの持つ不思議な力に励まされたり、温かい気持ちにひたった経験が。
そんなスイーツにまつわる数々の物語や思いがけない誕生のドラマをお届けします。」

<グレーテルのかまどのコンセプト(以下HPより抜粋)>
仕事や子育てに追われながらも「ひと息つける自分の時間」を大切にしたい。
そんなオトナの女性のために「美しく」「優しく」「柔らかく」 スイーツに迫る。

<グリム童話「ヘンゼルとグレーテル」>
それは「お菓子の家」が象徴する甘いお話・・・というわけではありません。
物語は、お菓子の家の「かまど」をのぞきこんだ魔女の背中をグレーテルが突き飛ばす、という壮絶なラストをむかえます。

自らの才覚でたくましく人生を切り拓いた女の子・グレーテル。
番組はすべての現代の「オトナになったグレーテルたち」に向けて制作。
甘いだけじゃない、厳しさやつらさもかみしめる大人の女性にこそ満足してもらえる、
深くて美しいスイーツの物語をお届けします。

2012年5月4日の感想

NHK Eテレが2011年に放送を開始。
現在2022年ですから、11年続いている番組になりました。

十五代ヘンゼル&ナビゲーター瀬戸康史君は「鎌倉殿の13人」に出演中。
役者のキャリアと同じように、お菓子続作りのキャリアも相当なものです。

かまどの声&ナレーションのキムラ緑子さんとのほっこりした会話が私は大好きです。
ちなみにヘンゼルの姉は、黒板に謎のメッセージを残し、お菓子完成時に帰ってくる設定ですが、
今まで番組に出演したことはなく、幻のキャラクターです。

あんこや和菓子、甘みの強いお菓子は私自身は得意ではありませんが、
美しく美味しいお菓子に心をなぐさめられる人々の物語にはいつも共感しています。2022年11月25日記

ベニスに死す DEATH IN VENICE

ベニスに死す DEATH IN VENICE
ベニスに死す DEATH IN VENICE
ルキーノ・ヴィスコンティ Luchino Visconti

かつて南池袋にあった小さな地下の映画館「ACTシアター」
(正式名称:ACT SEIGEI THEATER)を憶えていますか。
西早稲田のACTミニ・シアター(経営は同じだったようです。うーん、懐かしい。
ちなみに赤坂のACTシアターではありません。)

学生時代、こちらでデレク・ジャーマンにはまり、
そして、ルキーノ・ヴィスコンティの「ベニスに死す」「地獄に堕ちた勇者ども」を観て、
タッジオ少年の完璧なまでの美しさに、すっかりやられてしまいました。

美をつくり出すものが美しいかというと、そうでもなく(そういうこともありますが)、
美をつくり出すこともなく、また美について思考しなくても、
その者の存在がすでに「美」そのもの、ということがある。
創作活動をしている全ての人間は、この種の存在に激しく憧れながらも、
その存在にはけっしてなり得ず、なんて遠いんだろうと強烈に感じました。

この名作が、ニュープリントになって銀座テアトルシネマで再上映です。

「水の都ベニスで、至高の美少年に魅せられた芸術家の苦悩と恍惚。
マーラー交響曲第5番アダージェットに永遠の輝きを与えた、
巨匠ヴィスコンティの最高傑作であり、総合芸術の頂点。」(HP抜粋)

キャッチコピーは、「美は滅びない」です。

タッジオ役のビョルン・アンドレセンの輝きをぜひご覧くださいませ。

2011年10月17日の感想

2019年ホラー映画「ミッドサマー」では老人役で出演しました。
2021年の「世界で一番美しい少年(The Most Beautiful Boy in the World)」がサンダンス映画祭で発表されました。
この作品は、ビョルンの人生を描いたドキュメンタリーです。
ヴィスコンティ監督や祖母、大人たちに性的搾取されてきたことを告発。
人間不信に陥っていたため、撮影承諾までに3年を要したとのこと(wikiによる)

フィルムでの輝きと実生活での辛い経験がまるで光と影。
なんとも言えない気持ちになりました。
それでも彼を素晴らしいと思う私のような人間もいるわけでして。
おこがましいけれど、彼にとっての良い人生を陰ながら祈っています。2022年11月24日記

SHERLOCK シャーロック

SHERLOCK シャーロック

コナン・ドイルのシャーロック・ホームズは好きですか?

小説、昔ながらのBBCのドラマシリーズ、映画も大好きなので、何の情報もないまま
2011年8月にNHK-BSで3夜連続で放送されたこの「SHERLOCK」(BBC)を観ました。
英グラナダTVの「シャーロック・ホームズ」が最高だと思っていましたが・・・。
 
ものすごく、面白かったです!

ネタバレしちゃうと大変なのであまり物語にはふれませんが、
時代設定は現代のロンドンになり、ホームズは自称「コンサルタント探偵」です。

現代ならではのスマートフォンを捜査に使ったり、
シャープでスピード感あるドラマに仕上がっています。
少し落ち着いた暗めの雰囲気、英国物らしいユーモアもたっぷりです。

ホームズの変人っぷり、相棒ワトスンとのやりとりが、本当にイイ感じです。

「シャーロック」「ジョン」と、お互いをファーストネームで呼び合うんですよ。
原作の小説や映画などでは、大抵ファミリーネームで呼び合っていますから、
この辺が、とても今日的ですね。対等な関係、これが特徴の一つかもしれません。
ワトスンがトラウマを抱えているという、このドラマならではの解釈がすごく納得です。
お互いを尊重している雰囲気がたまらないですね(ゲイと勘違いされちゃったり)

ホームズとワトスンの関係だけでなく、
ホームズとホームズのエリートなお兄さんマイクロフトとの関係も注目です。

ジム・モリアーティ役のアンドリュー・スコット、とても素敵ですよ!

機会がございましたら、ぜひご覧くださいませ。

<出演> 
シャーロック・ホームズ: ベネディクト・カンバーバッチ
ジョン・ワトスン: マーティン・フリーマン
レストレード警部: ルパート・グレイヴス
ハドソン夫人: ウーナ・スタッブズ
マイクロフト・ホームズ: マーク・ゲイティス(製作総指揮のひとり)
ジム・モリアーティ: アンドリュー・スコット

<製作総指揮>
スティーブン・モファット、マーク・ゲイティス、ベリル・バーチューほか

SHERLOCK シャーロック NHK海外ドラマ
BAFT(英国アカデミー賞)受賞

<ジョン・ワトスンのブログ>
小説ではワトスンが事件を記録したことになってるように、このドラマはブログに事件を記録します。(英語)
ドラマ放送中は、ブログ(英語)公開していました。

ワトスンって発音しますか?それともワトソン?
すごく迷っちゃいますね。(どっちでもいいですね)

2011年9月14日の感想

<作品リスト>
第1シリーズ 2010年
「ピンク色の研究」 ”A Study in Pink”
「死を呼ぶ暗号」 “The Blind Banker”
「大いなるゲーム」 ”The Great Game”

第2シリーズ 2012年
「ベルグレービアの醜聞」 ”A Scandal in Belgravia”
「バスカヴィルの犬(ハウンド)」 ”The Hounds of Baskerville”
「ライヘンバッハ・ヒーロー」 ”The Reichenbach Fall”

クリスマス・ミニエピソード 2013年
「幸せな人生を」 ”Many Happy Returns”

第3シリーズ 2014年
「空からの霊柩車」 ”The Empty Hearse”
「三の兆候」 ”The Sign of Three”
「最後の誓い」 ”His Last Vow”

特別編 2016年
「忌まわしき花嫁」 ”The Abominable Bride”

第4シリーズ 2017年
「六つのサッチャー」 ”The Six Thatchers”
「臥せる探偵」 ”The Lying Detective”
「最後の問題」 “The Final Problem”

追記

回を重ねるごとにベネディクト・カンバーバッチとマーティン・フリーマンが息の合ったコンビとなりました。
小ネタの沢山つまった大変面白いドラマでした。

余談になりますが、このドラマ一押(一推し)のアンドリュー・スコットが
「Fleabag フリーバッグ」ではセクシーな神父さん役で、
これまたとても良かったです。2022年11月23日記

落下の王国 ザ・フォール The Fall

落下の王国

皆様、この時期、いかがおすごしでしょうか。

夏休みの方、旅行中の方も多いのではないでしょうか。それとも、普段通りのお仕事、そしてご自宅でしょうか。
私は相変わらずの自宅です。

家にいながら、世界の美しい景色を楽しめる作品を1本ご紹介。
「落下の王国 ザ・フォール:The Fall」です。

怪我をした映画のスタントマンが少女に語る冒険物語。
絶望した男が(とってもネガティブ思考)、希望に溢れた少女(絶望した男とは真反対で、キラキラしています、可愛いです)に出会い、変化していきます。
「ザ・セル」(物語はちょっとアレですけど、映像が斬新でしたよね)のターセム監督作品です。

物語はよくある感じなのですが、あまりにも美しい映像に惹きこまれます。

スタッフは、衣装の石岡瑛子、デビッド・フィンチャー、スパイク・ジョーンズ、クリシュナ・レヴィなど。

「撮影に4年を費やし、20カ国でロケーション」
あちこちの世界遺産を、ターセム監督の視線で観せてくれます。

あとタイトルにある、度重なるの落下シーン。CGを使っているのかと思ったら、使ってないそう。この辺が、こだわりのようです。

映画に携わる人々への愛を感じつつ、旅行気分が楽しめる作品です。

2010年8月14日の感想

現在コロナ禍において、海外旅行はとても遠い昔のことのような感覚です。
先月から旅行の規制が緩和されてはいるものの。
皆さんは、この年末年始いかがお過ごし予定でしょうか。
私は自宅で映画やドラマを楽しもうかと思います。2022年11月22日記

エリック・ロメール Eric Rohmer

緑の光線

2010年1月11日に亡くなったそうです(89歳)。

大好きな映画監督のひとりが、またも・・・。

心からご冥福をお祈りしています。合掌。

とりわけ「緑の光線 Le Rayon Vert」が一番好きです。

何度も同じ作品を観る事はほとんどないけれど、この作品は、7年おきくらいに観ては、前回とは違う感想を持つ自分を発見します。

素晴らしい作品と監督に感謝しつつ。

「海辺のポーリーヌ」「四季の物語」シリーズ 、
「レネットとミラベル/四つの冒険」
「パリのランデブー」など・・・

2010年1月13日の感想

追記

エリック・ロメールの作品は、六本木WAVEの地下にあった小さな映画館シネヴィヴァン六本木でよくかかっていました。
現在、映画館はビルごとなくなり(六本木ヒルズの土地の一部となりました)、
エリック・ロメール監督も亡くなってから12年がたちました。
新作を観ることはもうかないません。
過去の作品は愛され、いつまでも生き続けていくことと思います。

<エリック・ロメール Éric Rohmer>
本名ジャン=マリ・モリス・シェレール Jean-Marie Maurice Schérer
1920年3月21日(3月20日、4月4日説もあり)-2010年1月11日
フランスの映画監督。ヌーヴェル・ヴァーグのいわばトリであり、この映画運動を代表する映画人のうちでは名声を確立したのが最もおそい。男女の恋愛模様を軽快なタッチで描く一方、文芸作品などにも取り組む。(Wikiより)

<長編映画>
獅子座 Le Signe du lion (1959年製作、1962年公開)
モンソーのパン屋の女の子 La Boulangère de Monceau (1963年) 短編
シュザンヌの生き方 La Carrière de Suzanne (1963年) 中編
コレクションする女 La Collectionneuse (1967年)
モード家の一夜 Ma nuit chez Maud (1969年)
クレールの膝 Le Genou de Claire (1970年)
愛の昼下がり L’Amour l’après-midi (1972年)
O侯爵夫人 La Marquise d’O… (1976年)
聖杯伝説 Perceval le Gallois (1978年)
飛行士の妻 La Femme de l’aviateur (1981年)
美しき結婚 Le Beau Mariage (1982年)
海辺のポーリーヌ Pauline à la plage (1983年)
満月の夜 Les Nuits de la pleine lune (1984年)
緑の光線 Le Rayon vert (1986年)
友だちの恋人 L’Ami de mon amie (1987年)
レネットとミラベル/四つの冒険 Quatre aventures de Reinette et Mirabelle (1987年)
春のソナタ Conte de printemps (1990年)
冬物語 Conte d’hiver (1992年)
木と市長と文化会館/または七つの偶然 L’Arbre, le Maire et la Médiathèque (1993年)
パリのランデブー Les Rendez-vous de Paris (1995年)
夏物語 Conte d’été (1996年)
恋の秋 Conte d’automne (1998年)
グレースと公爵 L’Anglaise et le Duc (2001年)
三重スパイ Triple agent (2004年)
我が至上の愛〜アストレとセラドン〜 Les Amours d’Astrée et de Céladon (2006年)

<短編映画 ドキュメンタリー MVなど>
Journal d’un scélérat (1950年)
紹介、またはシャルロットとステーキ Présentation ou Charlotte et son steak (1951年)
Les petites filles modèles (1952年)
Bérénice (1954年)
La Sonate à Kreutzer (1956年)
ヴェロニクと怠慢な生徒 Véronique et son cancre (1958年)
パリのナジャ Nadja à Paris (1964年)
パリところどころ Paris vu par…:第4話「エトワール広場」 Place de l’Étoile (1965年) オムニバス映画
パスカルについての会話 Entretien sur Pascal (1965年) 教育番組
カール・ドライヤー Carl Dreyer (1965年) インタビュー
ある現代の女子学生 Une étudiante d’aujourd’hui (1966年) ドキュメンタリー
モンフォーコンの農婦 Fermière à Montfaucon (1967年) ドキュメンタリー
ルイ・リュミエール Louis Lumière (1968年) 教育番組
Loup, y es-tu ? (1983年)
コーヒーを飲んで Bois ton café (1986年) ミュージック・ビデオ
Un dentiste exemplaire (1997年)
背中の反り La cambrure (1999年)
Une histoire qui se dessine (1999年)
Le canapé rouge (2004年)

2022年11月21日記

かいじゅうたちのいるところ Where The Wild Things Are

FC2ブログでの映画ドラマの紹介(備忘録)を、少しづつこちらのヨガのHPにお引越しします。
追々しようと思っていましたら、後回しになり月日が経過してしまい、かれこれ5年程。
本の紹介はほとんどお引越しできたので、今度は映画ドラマの紹介をお引越しです。

今から12年前の2010年の感想は我ながら気恥ずかしく、
正直なところ手直ししたい気持ちでいっぱいなのですが、あえてのそのままで。
ただ絵文字などの装飾は消し、色付きの文字は黒色に、当時の訃報は時系列を変更しました。

ここ2ヶ月ほど、昔観た映画やドラマの話が続きますが、
「いつの時代のことなのかしらと」驚かれませんように、ごゆるりとおつきあいくださると嬉しいです。

かいじゅうたちのいるところ

モーリス・センダック(Maurice Sendak)の絵本を、スパイク・ジョーンズ(Spike Jonze)が映像化。
短い絵本のお話が90分くらいの映画作品になりました。

絵本のエッセンスがでていたように思います。
思います、というのは、絵本は好きだったので、気になって映画館で観たところ、とっても心地良い音楽にすっかり眠くなってしまい、ほとんど寝てしまいました。

後日WOWOWの放送で、しっかり見直しました。

サントラは、子守唄のような安らかなイメージです。
不眠症の方にもおススメ。
YEAH YEAH YEAHSのカレンO・アンド・ザ・キッズによるオリジナル・サウンドトラック

監督:スパイク・ジョーンズ
過去作品:
「ヒューマン・ネイチュア Human Nature」
「マルコヴィッチの穴 Being John Malkovich」
「アダプテーション Adaptation」
「脳内ニューヨーク Synecdoche, New York」

主人公の少年マックス:マックス・レコーズ
自分が観たのは英語版でしたが、日本語吹き替え版は、加藤清史郎

かいじゅうのキャロルの声:ジェームズ・ギャンドルフィーニ
過去作品:「ザ・ソプラノズ」のギャングのボスのトニー役

他のかいじゅうの声:キャサリン・アン・オハラ
過去作品:「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語 Lemony Snicket’s A Series of Unfortunate Events」「ペネロピ Penelope」

他のかいじゅうの声:フォレスト・ウィテカー
過去作品:「ラスト・キング・オブ・スコットランド」では、ウガンダの独裁者アミン役(怖かった)

他のかいじゅうの声:ポール・ダノ
過去作品:「リトル・ミス・サンシャイン Little Miss Sunshine」

と、まあ豪華な声優たち。

2010年1月9日の感想

追記

<あらすじ>
イタズラのおしおきに、夕食抜きで自室に閉じ込められたマックス。しかし部屋にはみるみるうち不思議な森や海が広がり、航海のすえマックスはかいじゅうの国に至る。かいじゅうを従え王様となったマックスは彼らと楽しいひとときを過ごすが、やがて家が恋しくなり自分の部屋へ戻る。そこには夕食がまだ温かいまま置かれていた。(wikiより)

<翻訳された絵本>
日本では1966年に『いるいる おばけが すんでいる』というタイトルでウエザヒル出版から最初に翻訳された。このときの本文は七五調であった。

1975年、神宮輝夫による新訳が冨山房より出版された。『かいじゅうたちのいるところ』という訳題は、この時に神宮によってつけられたものである。神宮によると、原題の「Wild Things」をどう翻訳するか思案の末に、子どもが読みやすくて言いやすく、絵のイメージにも合う「かいじゅう」にしたという。この神宮による翻訳は約100万部のベストセラーとなっている。(wikiより)

いまさらながら、「かいじゅう」ということばに神宮輝夫さんが訳したことを知りました。

『Wild Thing』
チャーリー・シーン演じる近眼のピッチャー「リッキー・ボーン」の愛称。 人を指す呼称として使われる場合、「魅力的だが手に負えない荒くれ者」といった意味合いになるそうです。

最近では、大谷翔平選手が大リーグで活躍されて、放送でよく使われる曲になりました。
荒くれ者って感じではないけれど、確かに魅力的ですね。

2022年11月20日記