わたしのウチには、なんにもない。 ゆるりまい

わたしのウチには、なんにもない。 ゆるりまい
「わたしのウチには、なんにもない。」 ゆるりまい エンターブレイン

皆様は物を捨てることは得意でしょうか。

衝撃のコミック・エッセイでした。
ゆるりまいさんの、なんにもない(なさすぎ)生活スタイル、
なぜそのような生活スタイルに至ったのか紹介されています。

私は掃除・洗濯は好きな方ですが、物を捨てることは、あまり得意な方ではありません。
様々な断捨離本の影響で、多少の断捨離はしましたが、近い将来「使うかも」と思うと、
また、実用品ではないけれど、見るとほっとする物は、捨てられない・・・・。

著者は物を大事にしていないわけではなく、こだわりの物を大事に使っています。
考え方を変えると、こんなにもすっきりした生活ができるものなのかと感心しました。

ヨガに関連する物や本は、今必要でなくても、保存・管理しておきたいです。
あと趣味の物も・・・。そしてどんどん増えていくのですよね。

著者のような「なんにもない生活」は、おそらくできそうにありませんが、
可能な範囲で、整理整頓していきたいものです。

<著者関連作品>
「わたしのウチには、なんにもない。」 ゆるりまい エンターブレイン
「わたしのウチには、なんにもない。2 」 ゆるりまい エンターブレイン
「なんにもない部屋の暮らしかた」 ゆるりまい メディアファクトリー

2014年1月10日の感想

追記
2022年11月の私は、著者のゆるりまいさんのような、「なんにもない生活」は、ご想像通りできていません。
とうぶんそういう生活はできそうもありません。
五木寛之先生のおっしゃるガラクタにかこまれる生活になってしまいそうな予感。2022年11月10日記

スタンフォードの自分を変える教室 ケリー・マクゴニガル(著) 神崎朗子(翻訳)

スタンフォードの自分を変える教室 ケリー・マクゴニガル
スタンフォードの自分を変える教室
ケリー・マクゴニガル(著)神崎 朗子(翻訳) 大和書房

「意志が弱い」「意志が強い」、よく私たち使っていませんか?

・タバコをやめたい
・お酒をひかえたい
・ダイエットしたい
・語学など資格試験で合格したい

でも「意志が弱いから・・・無理!」と。

誰しも変えたい自分、あるものですよね?
「自分を変えたい!」と思いながら、「意志が弱いから・・・無理!」と思っている、そんな方に(ほぼ全員かも?)ピッタリな本です。

この本の著者ケリー・マクゴニガルさんは、ざっくり解釈すると、「意志力は、自分の考え・思考・感情でどうにかなるものではない」と説いています。

意志力を高めるには、自分を厳しく律し、精神を鍛えた方が良いと一般的に思われていますが(特に日本では、その傾向がある気がします。もしかすると、小さな頃からのしつけや、頑張り屋さんが多いのかもしれません。勝手な推測ですが)、ケリー・マクゴニガルさんによると
「体にリラックス反応を起こすこと」が大切。

また、自分を観察すること、
本当に効果のあるストレス解消法を試すことも。

<本当に効果のあるストレス解消法>
ヨガや瞑想、外へ出て散歩する、マッサージを受ける、読書や音楽を楽しむ、礼拝に出席する、スポーツやエクササイズ、家族や友だちと過ごす、クリエイティブな趣味の時間を過ごす。

ちなみにですが、<偽りのストレス解消法>
タバコ、アルコール、ギャンブル、セックス、過度の買い物、甘い物、過食。

「(思考や感情を)コントロールしなければ、(行動を)コントロールできる」

好ましくない考えや感情をコントロールしようとするのをやめれば、そういった考えや感情に振り回されなくなる。不安や憂うつ、異常な食欲、依存症などに対処するのにも効果的な方法。

ここで言う「思考や感情をコントロールしない」というのは、「あきらめる」ということ。あきらめるということは、その思考や感情に流されたまま、そのように行動するというのではなく、受け止めて認識するということ。「自分はそういう考えを持っているのだな」と認めること。

「行動をコントロールできる」というのは、好ましくない考えや感情のままに行動するのではなく、認めた上で、自分にとって良い行動をするということ。

なんだかヨガの考え方に似ていませんか?
ヨガは、自己をコントロールするトレーニングにもなります。

自己コントロールの基盤(ケリー・マクゴニガルさんによる)
1 自己認識
2 セルフケア
3 自分にとって最も大事なことを忘れないこと

ヨガでも「体にリラックス反応を起こすこと」(正確には、緊張と緩和です)が、やはり非常に大切です。
これはまさしくヨガだな~、と。

著者の紹介(下記記載しました)を読んで納得。ヨガ・セラピーの学術専門誌の編集主幹とのこと。

皆様とレッスンで一緒に行っている呼吸法は、この本では、「呼吸の瞑想」と紹介されていました。

とても面白い本でしたので、よかったらぜひ。

<ケリー・マクゴニガル>
ボストン大学で心理学とマスコミュニケーションを学び、スタンフォード大学で博士号(心理学)を取得。専門は健康心理学。心理学、神経科学、医学の最新の研究を応用し、個人の健康や幸せ、成功および人間関係の向上に役立つ実践的な戦略を提供する講義は絶大な人気を博し、スタンフォード大学で最も優秀な教職員に贈られるウォルター・J・ゴアズ賞をはじめ数々の賞を受賞。各種メディアで広く取り上げられ、「フォーブス」の「人びとを最もインスパイアする女性20人」に選ばれる。ヨガ、瞑想、統合医療に関する研究をあつかう学術専門誌「インターナショナル・ジャーナル・オブ・ヨガ・セラピー」編集主幹を務め、著書に「痛みを和らげるヨガ―心を落ち着け、痛みを緩和するためのシンプル・ヨガ」(未邦訳)などがある。
(本書の帯紹介による)

<関連記事>
Arco Iris Yoga 2016年9月5日
スタンフォードのストレスを力に変える教科書 ケリー・マクゴニガル(著) 神崎朗子(翻訳) →こちら

Arco Iris Yoga 2017年5月5日
スタンフォードの心理学講義 人生がうまくいくシンプルなルール ケリー・マクゴニガル(著) 泉恵理子(翻訳) →こちら

2013年9月5日の感想

大和なでしこ整体読本 身体を取りもどす“七つの力” 三枝誠

大和なでしこ整体読本 身体を取りもどす“七つの力”
大和なでしこ整体読本 身体を取りもどす“七つの力” 三枝誠 ちくま文庫

先日に引き続いて、セルフメンテナンスにちょうど良い1冊をご紹介します。

ヨガのポーズや呼吸法も記載されていますので、
ヨガにいらっしゃる皆様も、興味深く読めるのではないかと思います。

イラストがとても個性的です。

2013年3月17日の感想

追記
あっさりとした短文の紹介ですが、当時の私は
ヨガ教室にお越し頂いている生徒さんに楽しく体と心とつきあうのに良さそうなこの本をご紹介したかったのだと思います。2022年11月7日記

女性のからだの整体法 野村奈央

女性のからだの整体法―からだの悩みを解消する6つのテーマと四季のお手入れ 野村奈央
女性のからだの整体法 野村奈央 七つ森書館

季節にあわせ、私たちの体と心は変化しています。

皆様も、季節の変わり目だからこそ、体や心の変化を
日々、実感されていらっしゃるのではないでしょうか。

女性のセルフメンテナンスにちょうど良い1冊です。

2013年3月16日の感想

追記
近年の暑すぎる夏、寒すぎる冬。春と秋の短いこと。
異常な天候に体が心が、ついていくのが大変です。
ヨガもセルフメンテナンスです。
ヨガで一緒に自分の体と心をメンテナンスしながら過ごしていきましょう。2022年11月6日記

インフルエンザの予防接種 withコロナ・postコロナ

皆様、ヨガ教室・オンラインヨガにお越し頂き、いつもありがとうございます。

インフルエンザのワクチンと新型コロナウイルス感染症のワクチン(4回目)を受けてきました。
同日でも大丈夫なのだそうですが、それぞれ別日に受けました。

今年の冬も、インフルエンザと新型コロナウイルスが同時期に流行する可能性が高いことから、
両方のワクチンを接種することが推奨されています。

インフルエンザのワクチンは、「インフルエンザにかからない」ことを期待しますが、
毎年流行する型が違うため、かかる可能性はあるが、重くなりにくい、
つまり「重症化を予防する」という効果があると報告されています。

新型コロナウイルス感染症のワクチンは、免疫を確実につけて、
「重症化を予防する」という高い効果があると報告されています。

withコロナ・postコロナに向けて、
インフルエンザやコロナワクチンを、こうして1年に何度も接種することは、
マイナス面:副反応の心配、スケジュール管理、効果の期限がある
プラス面:お仕事で生徒さんに安心感を与えることができ、自分自身も安心感を持つことができる
トータルで考えると、ワクチンを接種する意味があると私は思っています。

秋の深まりを感じ、徐々に寒くなり冬に向かっていくこの季節。
季節の変わり目は、体調を崩しやすい時期でもあります。

・新型コロナウイルス感染症対策の基本は、換気、手洗い、マスク。

ゆくゆくは欧米のように「脱マスク」になっていくことでしょう。
「脱マスクは何時頃になるか」と言われ、マスク着用は賛否両論ありますが、
ヨガ教室では、マスク着用続行中です。

・インフルエンザ・風邪の予防の基本は、うがい、手洗い。ストレスをためないこと、充分な睡眠。

私たちができる小さなことですが、大切なことです。
新型コロナウイルス感染症、インフルエンザ・風邪の予防にも有効です。

ヨガで、心身を元気に、免疫力を高めてまいりましょう!

柿2022、たわわに実る柿

からだを解き放つアレクサンダー・テクニーク~体・心・魂が覚醒する~ 谷村英司

からだを解き放つアレクサンダー・テクニーク~体・心・魂が覚醒する~ 谷村英司
からだを解き放つアレクサンダー・テクニーク~体・心・魂が覚醒する~ 谷村英司 地湧社

著者である谷村英司さんは、お母様がヨガの指導者なので手伝いをしていました。
いろいろ疑問が湧き、ヨガやヨガ以外のボディワークを学ぶ中で谷村さんが出会ったものが
Frederick Matthias Alexanderのアレクサンダー・テクニークというものでした。

とても興味深い本でしたので、ご紹介します。

「しない」というトレーニング。
常時、私たちは何かをしていますよね。そこをあえて「しない」というものです。
精神的にも身体的にも「静かであること」と「何もしないこと」のトレーニングです。
トレーニング中、理由を知りたくなったり、「どうしたらいいか」とすぐに答えが欲しくなるものです。
しかし、それに対しても、あえて「しない」、そういうトレーニングです。

「何もしない」ことは、不安感にエネルギーを与えないことになる。
反対に、この不安感にエネルギーを与えてしまうと、悪い循環が作られてしまう。

不安感の元は、ある固定観念だそうです。エンドゲイニングについて下記抜粋します。

「<エンドゲイニング>
私たちには固定観念にとらわれて内面の自由を見失ってしまう心理状態があると指摘し、それを「エンドゲイニング」と名付けています。これは、目的に至る手段やプロセスをよく吟味しないで、目的の達成や結果を得ることに駆られている心理状態のことを言います。例えば、”私は○○にならなければ安心できない”とか”私も○○を獲得すればきっと満足する”といった固定観念がエンドゲイニングの心理状態を強く呼び起こし、誤った方向の努力に私たちを駆り立てるのです。

エンドゲイナー:エンドゲイニング的意識に駆られている人

エンドゲイナーは「今」を見ない
エンドゲイナーは鈍感である
エンドゲイナーは急いでいる
エンドゲイナーの意識は部分的である
エンドゲイナーは過去(既知)に生きている
エンドゲイナーは新たなことに無力である
エンドゲイナーは幻想をいだいている
エンドゲイナーは断定する
エンドゲイナーは傲慢である
エンドゲイナーは心身を固める
エンドゲイナーは準備する
エンドゲイナーは不安である

不安感は放っておくこと、不安感から行動しない、
「静かであること」と「何もしないこと」だと思います。」(本から抜粋)

不安感が活動源になってしまうこと、たまにありますよね?
そういう意味で、「しない」というトレーニングは難しいのですが、大切なのですね。

そもそも著者が抱いた悶々とした気持ちは、「ヨガが上達してゆくのは結局、
もともと健康な人たちで、精神的、身体的に悩みを抱えている人たちの解決になっていない。」
彼らの根本的、普遍的な問題を解決するためのツールを探し求め、
著者にとっては、それがアレクサンダー・テクニークだったということです。

ただこれはあくまでも私の意見ですが、ヨガはどんな人にも向いていると思っています。
もともと健康な人だけでなく、精神的、身体的に悩みを抱えている人にも、
問題解決のツールになると思ってレッスンをしています。
「ヨガが上達」という言葉にも正直、違和感を覚え、この点だけは、同意できませんでした。

ただとても面白い本でした。いつか機会があれば、レッスンも受けてみたいです。

<アレクサンダー・テクニーク>
アレクサンダー・テクニークを発見し方法論化したのは、フレデリック・マサイアス・アレクサンダー(Frederick Matthias Alexander, 1869年 – 1955年)である。アレクサンダーは、オーストラリアでシェイクスピア作品の若い俳優として有望なスタートをしたが、舞台上で声が出なくなる不調に襲われるようになった。役者として致命的な不調であったが、医者も治療のしようがなく、彼は原因をつきとめるべく三面鏡のまえで自分の発話の瞬間を観察していった。そこで彼は、声を出そうと思った瞬間に、その「声を出そう」という意欲によって、意識せずに首の後ろを縮め緊張させていたことを発見した。このため頭が重たくのしかかり、声帯を圧迫していたのである。それと反対に、首が楽で、頭部を軽く脊椎の上でバランスを保っていれば声が楽に出ることにも気づいた。

この発見が契機となって、アレクサンダーは、頭、首、背骨の緊張がなければ人間に生来そなわっている初源的調整作用 (プライマリーコントロールprimary control) が活性化され、自分の全力が自由に発揮されると唱えた。無意識的な習慣や癖(自己の間違った使い方、自己の誤用 mis-use of the self)のために、何かをしようという際に不必要な反応を生じ、不必要な運動を行おうとして緊張を生じることがその行為・動作を妨げているとされ、(さらに何らかの新しい努力や行為を追加するのではなく)そのような習慣的な反応を抑制(inhibition)することで改善が見られるというのが、基本的な考え方である。(wikipedia抜粋)

2013年2月4日の感想

追記
2022年現在も、当時と変わらず「ヨガはどんな人にも向いている」と私は考えています。

心身が健康な人だけでなく、むしろ精神的、身体的に悩みを抱えている方にこそ、
ヨガを知って行い、気持ちの良さを感じて頂けたらいいなあと思っています。

当時の私は「いつか機会があればアレクサンダー・テクニークのレッスンも受けてみたい」と申しておりましたが、
ヨガと比べると料金も敷居も高いため、受けておりません。2022年11月4日記

風邪の効用 野口晴哉

風邪の効用 野口晴哉
風邪の効用 野口晴哉 ちくま文庫

皆様、「風邪」に対してどのように考えていますか。
今まで一度も風邪を引いたことのない方は、おそらくいないかと思います。

数年前に手にとってから、何度も読んでいるのですが、
読む度に、「はっ」と気付かせてくれる本です。
特に、風邪を引いた時や風邪を引いた後は、身をもって理解できます。

子どもの頃から20代半ばくらいまで、しょっちゅう風邪を引いていました。
ヨガをはじめてからは、そんなに頻繁には引かなくなりましたが。

この本を読む前までは、「できる限り、引かないようにしよう」と心がけてきました。
しかし、野口先生のお話から、「引いても大丈夫」と思うようになりました。
下記の抜粋は、今回、胸に「ズキューン」ときたところです。

<心理現象としての風邪>
「寒いので風邪を引くという考え方が入っている人は寒いと風邪を引くが、ストーブで暖まると風邪を引くと思い込んでいる人はストーブで風邪を引く。風邪を引くことの中には、そういう心理的な分子が非常に多いということが判りました。」(本より抜粋)

<「・・・と思い込む」とそうなる>
「「・・・と思い込んで」そうなったという心理的なものが多いということです。ただ、「・・・と思い込んで」も風邪を引かない人はたくさんいます。それは何故かというと、「・・・と思い込む」ことは意識的なのです。意識で「・・・と思い込んで」いる時は風邪を引くという状態にならない。心の奥の深層心理とか潜在意識とかいうような潜在している心に、風邪を引くという考え方が入ると、風邪の現象が起こる。」(本より抜粋)

この本は、風邪は心理的な部分が多く占めていること、お風呂の入り方、
体の部分的な温め方、風邪を引いているうちは風邪を引ける体なのだということなど、
上手に風邪を経過させることの大切さが説かれています。

もちろん肉体的な疲労や精神的な疲労(頭の使いすぎ)によって、風邪を引くことも多いものです。
ただ、今まで生きてきた中で、一般的に考えられてきた、刷り込まれてきた風邪への認識、また風邪の治療法が、もしかすると「・・・と思い込んで」いる部分が、かなりあるのではないでしょうか。私の場合はありました。

風邪を重く受け止めすぎず、また軽く受け止めることもしないで、経過を見守って、
風邪によってますます心身ともに元気でいきたいものですね。

関連記事
整体入門 野口晴哉、こちらです

2013年1月5日の感想

整体かれんだー 旬な身体になる 片山洋次郎

整体かれんだー 片山洋次郎
整体かれんだー 旬な身体になる 片山洋次郎 日本エディタースクール出版部

11月中旬になり、今年2012年(平成24年)も残すところあと1ヶ月半。
もう少しで2013年(平成25年)になりますね。

皆様は、来年のカレンダーを探していらっしゃいますか。
お気に入りのもの、見つかりましたでしょうか。

この「整体かれんだー」は、日にちは書いてありませんので、「今日は何日の何曜日かしら?」と日にちを確認するカレンダーではありません。私たちは四季の変化に応じて体が変化していますよね?その季節ごと・月ごとのテーマ、気にした方がよいことなどが書かれた、セルフケアに役立つ本です。

片山さんの整体は、野口晴哉先生の「野口整体」をベースにした整体です。体の癖が心の状態に、心の状態が体の癖に影響している。自分の体の癖や考え方の癖を理解した上で、一般的にはあまり良い意味では使われていない癖というものも、味方につけて受け入れているところがあり、とても好きです。

自分の体を受け入れること。
ヨガの考え方でも、自分の肉体や精神を、つまり「あるがままの自分」を受け入れていますよね。

ヨガを行いながら、季節にあったセルフケアをしていきましょう。

<片山洋次郎整体関連>

骨盤にきく 片山洋次郎
骨盤にきく 気持ちよく眠り、集中力を高める整体入門 片山洋次郎 文藝春秋

身体にきく 片山洋次郎
身体にきく 「体癖」を活かす整体法 片山洋次郎 文藝春秋

整体 楽になる技術 片山洋次郎
整体 楽になる技術 片山洋次郎 筑摩書房

自分で疲れをとる日々の整体 片山洋次郎
自分で「疲れ」をとる!日々の整体 片山洋次郎 静山社

2012年11月19日の感想

置かれた場所で咲きなさい 渡辺和子

置かれた場所で咲きなさい
置かれた場所で咲きなさい 渡辺和子 幻冬舎

文化祭シーズンですね。この時期、特別ゲストによる講演も多いのではないかと思います。

高校生の頃、文化祭の時ではありませんでしたが、修道女として修道院で働き、その後カトリックのミッションスクールの運営をされている女性がお話をしにいらっしゃいました。

そのお話の大切な部分は、普段学校で先生たちから教えられ学んでいることとそう大差はないはずのことでしたが、特別なことではなかったにもかかわらず、やはり心に訴えかけてくるお話だったのでした。

この講演のことを年上のご恩ある方にお話したところ、その方が「彼女は本も書いているから贈るね」と、「美しい人に 愛はほほえみから」(PHP)をすぐにプレゼントくださり、夢中で読みました。苦しい時に自分を支えてくれる本となり、今も本棚にある大切な本になりました。

最近の著作がこの「置かれた場所で咲きなさい」です。
毎日を丁寧に生きること、命を投げ出さず生きること、昔も今も変わらず渡辺先生は伝えています。

講演会もひとつの出会いですね。そして本も。
皆様も、素敵な文化祭シーズンをお迎えくださいませ。

<講演でのお話>
「自分と他人を比べなくてもいい、それぞれ大切な人間なのだから。」
豪華な薔薇のような人も、野に咲くたんぽぽのような人もいる。

「どちらも神様にとって、大切な人であり、比べなくてもいい」という、まるでSMAPのヒット曲「世界でひとつだけの花」のようなお話でした。この曲を聴いたとき、作詞・作曲・編曲した槇原敬之さんも渡辺先生の本を読んでいたのではないかしらと思った程です。

渡辺和子
1927年2月、教育総監・渡辺錠太郎の次女として生まれる。
聖心女子大学を経て、54年上智大学大学院修了。
ノートルダム修道女会に入りアメリカに派遣されて、ボストン・カレッジ大学院に学ぶ。
岡山県文化賞(文化功労)、山陽新聞賞(教育功労)、岡山県社会福祉協議会より済世賞、
ソロプチミスト日本財団より千嘉代子賞、三木記念賞受賞。
ノートルダム清心女子大学(岡山)教授を経て、
90年3月まで同大学学長、現在、ノートルダム清心学園理事長。

主な著書、「愛と祈りで子どもは育つ」「目に見えないけれど大切なもの」
「美しい人に」「愛と励ましの言葉366日」「幸せのありか」
「愛をつかむ―心に美しい花を育てる人に」「信じる「愛」を持っていますか」
「マザー・テレサ 愛と祈りのことば<翻訳>」(以上、PHP研究所)他多数。

2012年11月2日の感想

追記
渡辺和子さんは2016年、年上のご恩ある方は2017年、天国に旅立たれました。
ご冥福をお祈りしています。2022年11月1日

トラウマをヨーガで克服する デイヴィッド・エマーソン、エリザベス・ホッパー、伊藤久子(訳)

トラウマをヨーガで克服する デイヴィッド・エマーソン
トラウマをヨーガで克服する
デイヴィッド エマーソン David Emerson(著)
エリザベス ホッパー Elizabeth Hopper(著)
伊藤久子 (翻訳) 紀伊國屋書店

皆様は、トラウマ・センシティブ・ヨーガというものをご存知でしょうか。

心的外傷後ストレス障害(しんてきがいしょうごストレスしょうがい、Posttraumatic stress disorder:PTSD)に有効なヨーガで、米国マサチューセッツ州ボストンのトラウマセンターで研究・開発・実践されているヨーガです。

PTSD治療は現在、精神療法においては認知行動療法が主流で、長期持続暴露(Exposure:暴露法:トラウマ体験を話すこと)が行われています。また薬物療法では、薬物(SSRI:選択的セロトニン再取り込み阻害剤)が行われています。精神生理学的治療では、EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing:眼球運動による脱感作と再処理)が行われています。

強烈な外傷体験 (traumatic experience) が精神に、肉体に刻み込まれ、PTSDとなります。その体験は過去のことですが、現在も起こっているかのように頭の中で何度も繰り返すという苦しみがあります。

そこで、ヨーガは脳の側からの指令ではなく、肉体の側から、「今ここにいる」という感覚を得ることで、トラウマ体験を話すことなく解放されていく、と説いています。

トラウマ・センシティブ・ヨーガは、まだ日本では認識されていないかもしれませんが、今後の可能を感じました。トラウマ・センシティブ・ヨーガと教室で行っておりますハタヨガは、少し違いがありますが(現在学んでいますヨーガ療法とは非常に似ています)、ヨーガがトラウマの治療にも役に立つということは嬉しいことです。

<関連記事>
講習会に参加いたしました。(開催日2012年9月27日、記事2012年10月1日)
ボストン・トラウマセンターにおけるヨーガ療法講習会~トラウマ・センシティブ・ヨーガ講習会~に参加して、こちらです

<ボストン トラウマセンターについて>
ベッセル・A・ヴァン・デア・コーク氏(研究、臨床医としてトラウマに関わっている)によってトラウマセンターは設立されました。慢性的・複合的トラウマや、心の傷を負った人たちを治療するクリニックで、PTSDなどの幅広い研究を行ない、災害、戦争、虐待、犯罪などのトラウマ被害者への支援方法を研究・開発・実践する世界的拠点となっています。デイヴィッド・エマーソン氏はこのセンターでヨーガ部門長として治療にあたっています。エリザベス ホッパー氏はトラウマ療法を専門とする臨床心理士です。

2012年9月29日の感想