2092年の近未来を舞台に、運命が次々と変わっていく男の人生を描いたSF作品。
久しぶりに面白い映画(WOWOW録画)を観ました。
人生は日々選択です。たった1つの道を選んで生きてくわけですが、選ばなかった選択肢はそれこそ無数です。主人公である118歳の老人ニモは、1つの道を選べず、だからこそ無限に広がり、誰でもない存在になってしまいました。
映像が非常に綺麗で凝っています。編集に時間をかけたとのことで、場面と場面の切り替わりが、とってもユニーク。今まで観た他の映画作品の印象的な場面が、別の時空・物語に繋がって広がり、まるで迷宮に迷いこんでしまったかのようです。
「アナとオットー ANA+OTTO:Los Amantes del Circulo Polar」(好きな作品のひとつ。スペイン映画、バスク地方出身の監督フリオ・メデムの作品。フィンランド・ヘルシンキの百夜、画面全体に漂う透明感のあるブルーが印象的。フェレ・マルティネスとナイワ・ニムリ出演)や「バタフライ・エフェクト:The Butterfly Effect」に雰囲気が似ているかもしれません。
「レクイエム・フォー・ドリーム:Requiem for a Dream」に出演していた、吸い込まれそうな瞳のジャレッド・レトーがニモを演じてます。彼の目力は尋常じゃないですね。
この瞳!
少し話はそれますが、「レクイエム・フォー・ドリーム:Requiem for a Dream」は、2009年のイギリスの映画雑誌「エンパイア」が発表した「落ち込む映画」ランキング第1位!
確かに落ち込む要素満載で、薬物中毒に陥った人々の悲惨な物語です。
あまりの恐ろしさに、観た人は、おそらく薬物には手がでないと思われます。「中学・高校・大学などの授業で、強制的に観せると良いのでは?」と個人的には思うのですけど、いかがでしょうか。ちょっと刺激が強いかなぁ。
「ミスター・ノーバディ」に戻ります。
137分間、飽きることなく、ありえないような、ありえるような(どっちなんだ~)、摩訶不思議な世界に連れて行ってくれます。
自分の選んできた道が、最良だと信じたいものですよね。
<ネタバレなしのあらすじ>
不死が実現した未来で、死を迎える最後の人間となった主人公。彼はありえたかもしれない幾多の人生を語り出す。奇才J・V・ドルマル監督が放つ異色のSFファンタジー。寡作だが作品ごとに世界的な評価を高めるJ・V・ドルマル監督が、「八日目」以来13年ぶりに発表した長編第3作。(WOWOWより抜粋)
監督:ジャコ・ヴァン・ドルマル
出演:ジャレッド・レトー、サラ・ポーリー、ダイアン・クルーガー
リン・ダン・ファン、リス・エヴァンス、ナターシャ・リトル
2012年6月18日の感想
<薬物依存症とは>
薬物依存症は国際的に認められている精神障害のひとつです。
覚せい剤・シンナー・大麻などの依存性のある薬物を使いつづけているうちに心身に異変が生じ、薬物を使いたいという気持ちが強くなりすぎて、自分ではコントロールできなくなり、現実にいろいろと不都合が生じているにもかかわらず薬物を使いつづけてしまう障害です。
精神科での治療。人生をかける根気のいる治療になります。
またヨーガセラピーも役立つといわれています。
軽い気持ちではじめた若者や薬物とは縁遠かった人々の薬物中毒の恐ろしさをこれ程までに描いた作品は、「レクイエム・フォー・ドリーム」がダントツです。2022年11月26日記