ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道@国立新美術館

ウィーン世紀末 それは新たなはじまりだった

本展示タイトルの「ウィーン・モダン」というのは造語で、
「ウイーンの世紀末文化を近代化(モダニズム)への過程という視点で読み解く」という意味が込められている。

18世紀の女帝マリア・テレジアの時代から19世紀末~20世紀初頭のモダン・アート、モダン・デザインの黄金期まで、近代化(モダニズム)の過程を4章構成で展示。

ポスターがクリムトとエゴン・シーレなので、世紀末の作品が中心なのかと思いきや、
豪華絢爛な宮廷美術から、シンプルな現代のものまで実に幅広い。
この量が来日できたのは、ウイーン美術館が改装工事をしているからなのだそうです。

サイズ感は、アクセサリーのような小さいものから、街という大きなものまで。
絵画、陶器、ファッション、ポスター、食器類、工芸、家具、建築、都市計画と多岐にわたります。
つまり、ウィーンの芸術文化がまんべんなくわかるような展示でした。

クリムト47点、シーレ22点、ココシュカ17点とのこと。
ウィーン世紀末の作品も十分展示されているのに、どうも世紀末の印象が薄く感じるのは、
やはり作品全体のボリュームがあるからなのだと思います。
出展作品は、個人所蔵の作品をあわせて東京展で約400点。(※大阪は330点)

一気に見て歩いていますと、
オーストリアを、ウイーンを観光したような気分になる程です。

ショップの商品が、ユニークです。
・刺繍キーホルダー(猫を抱くクリムト)
・刺繍キーホルダーが(ポスターにもなっているエミーリエ)
・マイメロディーとのコラボ
・クリムト風ロングTシャツ など

販売スタッフも着ていたクリムト風ロングTシャツは、
可愛く、着心地が良さそうでいいなと思ったのですが、
私の場合、パジャマにしてしまいそうでしたので、やめました。

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クリムト展@東京都美術館

クリムト没後100年記念の過去最大級の展覧会です。

女性の肖像画、「ファム・ファタル」(宿命の女)を多く描いています。
官能がテーマ。エロスとタナトスが何度も繰り返し。

実際に家族や絵のモデル、数多くの女性たちに囲まれて暮らし、
「ファム・ファタル」的な女性との関係もあったためか、
どの女性たちも、とても魅力的です。

世紀末の帝政オーストリアの大都会ウィーンで、
社会的に抑圧されて生きている女性たちにとって、
クリムトの前で、そして絵の中では、伸び伸びと振舞えたのかもしれません。

ウィーン大学大講堂の天井画の「哲学」「医学」「法学」の「学部の絵」3点を制作。
あまりにもネガティブだったため、大学にふさわしくないとのことで、大論争が起こります。
その後、ナチスに没収されたり、燃やされたり、大変な道をたどることになります。

1902年第14回分離派展(ベートーヴェン展)に出展された
「ベートーヴェン・フリーズ」が今回展示されています。
迫力があります!

「ユディトⅠ」をはじめとした、金の使い方。とても素敵でした。

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