百鬼夜行抄 21巻 今市子

百鬼夜行抄21
百鬼夜行抄 今市子 朝日新聞出版

漫画雑誌「ネムキ」(元々は朝日ソノラマが「眠れぬ夜の奇妙な話」という名前で創刊)に連載。週刊でも月刊でもなく隔月刊なので、コミックがなかなか発売されず、それ故、コミック発売が毎回楽しみなのです。

そんな「百鬼夜行抄」、最新刊である21巻が発売されました。

主人公の飯嶋律は、祖父譲りの霊感があります。しかし見ることができるだけで、海外ドラマや少年漫画のヒーローのように霊や魑魅魍魎を退治することはなく、霊や異界を垣間見たり、そんな存在と心を通わせたりする物語です。干渉しすぎると事件に巻き込まれるので要注意なのですが、干渉しなくても成り行き、事件に巻き込まれることもしばしば・・・。ホラーといえばホラーなのしょうが、家族ドラマでもあり、ミステリーでもあります。

飯嶋律の祖父の飯嶋伶は、蝸牛というペンネームで怪奇幻想を題材にする小説を書いていました。この祖父がとても魅力的なキャラクターなのですよね。幸薄そうな(実際に幸薄い幼少期を過ごしました)細身、眼鏡、着物。これらにピンときたら、ぜひ。

こんなに大好きな作品ですが、夜中には怖くて読むことができません。
読むのは、お日様の出ている明るい時間帯ですね。
皆様も、気が向いたら、どうぞ異界へ。

文鳥様と私9

今市子さんと愛鳥たちとの日々を綴ったノンフィクションの実録漫画「文鳥様と私」は最高です。
芳文社などから出ている他の作品も、ひねりが効いて面白いですよ。

2012年7月3日の感想

追記
2022年10月現在、「百鬼夜行抄」30巻発売されています。
主人公の律はずっと大学生のままです。
どうか未完になりませんように。2022年10月26日記