精霊の守り人 上橋菜穂子

精霊の守り人 上橋菜穂子
精霊の守り人 上橋菜穂子 偕成社

女用心棒の物語、「精霊の守り人」。
美しいお姫様でもなく、可愛い少女でもなく、賢い魔法使いでもなく、
少し訳ありの30代の女性が主人公なのです。

ジャンルはファンタジーということになっていますが、
都合よく魔法で全てがハッピーになるというようなファンタジーではありません。
大人も魅了され、充分に楽しむことのできる、シリーズものの物語です。

「精霊の守り人」は一作で完結しておりますが、「守り人」シリーズとして、
そのあと「闇の守り人」「夢の守り人」・・・と続いていきます。
このシリーズ、大好きです。

世界観が、歴史絵巻のように壮大でありながら、
細部の描写が生き生きしていて、その場面がありありと浮かぶ。
食事のシーン、水の中のシーン、森の中のシーン、
気の世界、呪術の世界、目には見えない世界・・・。
オーストラリアのアボリジニの研究をされている上橋さんならではの作品です。

ヨガを行じる皆様には、きっと響くのではないかと思います。
(もちろんヨガを行じていなくても、響くとは思うのですが、
より腑に落ちると思います。)皆様も良かったらどうぞ。
偕成社ワンダーランド、軽装版偕成社ポッシュなどで読むことができます。

「守り人」シリーズではありませんが、
「獣の奏者」シリーズは、人間と野生の生き物との関係、
野生の生き物を人間が飼いならすことに対する様々な思いや
人間世界の悲喜こもごもが描かれていて、こちらもとても好きな作品です。

今年2014年、上橋菜穂子(うえはしなほこ)さんが、
「児童文学のノーベル賞」と言われる国際アンデルセン賞の作家賞に選ばれました。
日本人では1994年のまどみちおさん以来、2人目になります。

本当におめでとうございます!とってもとっても嬉しいです。
更なるご活躍を心よりお祈り申し上げます。

精霊の守り人 上橋菜穂子
偕成社ワンダーランド 二木真希子さんの挿絵がまた素敵なのです

精霊の守り人 上橋菜穂子 ポッシュ版
軽装版偕成社ポッシュ 軽いので持ち運びに便利、おススメです

<上橋 菜穂子(うえはし なほこ)>
1962年7月15日 東京都生まれ。文化人類学者。児童文学作家、
ファンタジー作家、SF作家、文化人類学者。日本児童文学者協会会員。

「精霊の木」「月の森に、カミよ眠れ」「精霊の守り人」「闇の守り人」「夢の守り人」「虚空の旅人」
「神の守り人 <上> 来訪編」「神の守り人 <下> 帰還編」「蒼路の旅人」
「天と地の守り人 <第1部>ロタ王国編」「天と地の守り人 <第2部> カンバル王国編」
「天と地の守り人 <第3部> 新ヨゴ皇国編」「流れ行く者 守り人短篇集」
「炎路を行く者 守り人作品集」「獣の奏者」「物語ること、生きること」など。
追加:「鹿の王<上><下>」「明日は、いずこの空の下」「三人寄れば、物語のことを」など。

2014年4月7日の感想

追記1:2015年4月
2014年8月1日発表
2016年のNHK大河ファンタジーとして「精霊の守り人」他「守り人」シリーズが実写ドラマ化決定。
主演バルサ役は綾瀬はるかさん。
あの壮大な世界がどのように表現されるのか、今からとっても楽しみです。

追記2:2022年11月
初回の記事から2度追加追記しています。
時系列を混ぜないように追加追記した結果、少々読みにくい記事になってしまいました。2022年11月10日記