ヨーガ療法学会研究総会2024大阪web

第22回日本ヨーガ療法学会研究総会が、
会場は大阪府大阪市、5月25日(土)26日(日)、
オンライン参加と対面参加の混合の開催でした。

私はライブのネットで参加いたしました。

今回のテーマは
「緩和ケアとヨーガ療法
尊厳~ともに繋がり、ともに癒す~」

WHO(世界保健機関) 2002年

緩和ケアとは、
生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者とその家族のQOLを、痛みやその他の身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題を早期に見出し的確に評価を行い対応することで、苦痛を予防し和らげることを通して向上させるアプローチである。

緩和ケアは

・痛みやその他のつらい症状を和らげる
・生命を肯定し、死にゆくことを自然な過程と捉える
・死を早めようとしたり遅らせようとしたりするものではない
・心理的およびスピリチュアルなケアを含む
・患者が最期までできる限り能動的に生きられるように支援する体制を提供する
・患者の病の間も死別後も、家族が対処していけるように支援する体制を提供する
・患者と家族のニーズに応えるためにチームアプローチを活用し、必要に応じて死別後のカウンセリングも行う
・QOLを高める。さらに、病の経過にも良い影響を及ぼす可能性がある
・病の早い時期から化学療法や放射線療法などの生存期間の延長を意図して行われる治療と組み合わせて適応でき、つらい合併症をよりよく理解し対処するための精査も含む(日本緩和ケア医療学会による)

今回の学会では、緩和医療に携わる先生方をお招きして、
緩和ケアの歴史やいきさつ、信念やめざすところ、緩和ケアの現状、
どのようなことが大事なのか、そのためには何をしたらよいのか、
そして今後、高齢者の多い社会になった時、
この緩和ケアはどのようになっていくのか、ということを学びました。

知っておいて欲しいこと

1)緩和ケアの対象は、がんの患者さんと思われているが、
「全ての重い病を抱えている患者さん、そのご家族を対象としたものであること」

2)終末期と思われているかもしれないが、
「いつからでも始めることができること」

近代ホスピスの母といわれている
シシリー・ソンダースの言葉

「 Not doing, but being 」
(何かをするのでなく、ただそばにいること)

シシリー・ソンダースは、
英国の医師で、世界で初めてロンドンにホスピス、
セント・クリストファー・ホスピスを創設した人です。

緩和ケアで最も大事なことは、「尊厳」であること。

尊厳とは、本人の人生に価値をみいだすこと。
「あたながあなたのままでいることが重要」

<ヨガの立場から>

患者さんやそのご家族の方、医療関係者の方に対して、
ヨガがどのような面からお役に立つことができるのか。

現在、ヨーガ療法士の方でホスピスで活動されている先輩方の実演、
心掛けていることなども伺いました。

今回、自分のこととして、家族のこととして考えることが多くありました。
患者側から見たり考えたり感じること、
医療の側からの見たり考えたり感じること。
緩和ケアにかかわる全ての方に対する尊敬の念が深まっています。

初めて知ったこと、心に残ったことなど、
ヨガの教室にいらっしゃる生徒さんと共有したいと思い、
お話ししたり、またお話しを伺ったりしてます。

尊厳は緩和ケアだけでなく、どんな方にも大切なことです。
ヨガの教室という限られた空間でだけでなく、
日頃から意識していきたいと思っています。

ヨーガ療法学会研究総会2024

<大会長 理事長講演 Invited lecture>

大会長講演
森 一郎
協立記念病院 緩和ケア科部長 緩和ケア病棟長

テーマ
「尊厳 ともに繋がり、ともに癒す」
「緩和ケアの可能性~ディグニティ―セラピーからSDGsの視点まで~」

理事長講演
木村慧心
世界ヨーガ療法連盟創設役員
世界保健機関(WHO)ヨーガ指導基準・策定部会・委員
アジア太平洋ヨーガ療法協会 代表役員
SVYASA大学大学院 / AMIYT大学・カイヴァルヤダーマヨーガ研究所所属大学客員教授
一般社団法人 日本ヨーガ療法学会  NPO法人 日本ヨーガ療法士協会理事長

「緩和ケアとヨーガ療法」

<招待講演 Invited lecture>

木澤義之
筑波大学医学医療系緩和医療学教授
日本緩和医療学会理事長

「緩和ケアの現在とこれから」
~重い病を持つ人が人として大切にされる医療・ケアを目指して~」  

<招待講演 Invited lecture> 

森 雅紀
聖隷三原病院 緩和支持医療科 部長
聖隷クリストファー大学 看護学研究科 臨床教授

「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」
~共に、未来を拓く~

<分科会 Breakoutsession>

分科会1 緩和ケアにおけるヨーガ療法実践報告
分科会2 企業におけるヨーガ療法 

<一般研究発表>

日本ヨーガ療法学会会員ほか5名 

<対談シンポジウム Symposium>

「緩和ケアの現状と緩和ケアにおけるヨーガ療法の可能性」
森 一郎 木村慧心

<招待講演 Invited lecture>

小澤 竹俊
めぐみ在宅クリニック 院長
一般社団法人 エンドオブライフ・ケア協会 代表理事

「ユニバーサル・ホスピスマインドをすべての人生のそばに」
~解決が難しい苦しみを抱えても、穏やかに生きていくヒント~

<招待講演 Invited lecture>

Harvey Ma Chochinov(ハーベイ マックス チョチノフ)
マニトバ大学精神医学特別名誉教授
CancerCare Manitoba Research Institute上級研究員

「尊厳とケア 医療の人間的側面」

<質疑応答セッション Symposium>

「チョチノフ先生に聞くディグニティセラピーの神髄」

チョチノフ・ 小澤竹俊・森 雅紀・木澤義之・森 一郎 / 木村慧心 
  

<実践報告>

「緩和ケアにおけるヨーガ療法実践報告」

アジアにおける緩和ケアの現状と未来
モンゴル・韓国・中国からの報告
コメンテーター 森 雅紀