ピエール・ボナール展@国立新美術館

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オルセー美術館特別企画、ボナールの大回顧展です。

なにより、色がとても美しい。

日本好きのナビ派ということで、浮世絵を思わせ、まるで馴染みの絵を見るかのようです。

色の美しさ、視覚の心地良さを重要視し、人物に関しては、顔がぼや―っとしていて、表情がよくわかりません。はっきりさせたくなくて、わざとそうしていたのでしょうか。

後に妻となるマルトをモデルにした「入浴する裸婦」。
彼女との関係が非常に気になりました。彼女は神経症を患っていたため、1日に何度も入浴し、それは、ボナールと彼女にとっての日常であり、その場面とのこと。入浴療法という治療法があったようです。

私たち日本人は、療法と言われなくとも、温泉やお風呂が大好きな人が多いですよね。シャワーだけよりも、お風呂につかりたい。

冷んやりとした鉛色の小さなタライに入るマルトに、ポカポカと温かいお風呂を体験させてあげたかったです。

ブルジョワ的な生活を批判しながらも、その恩恵を受けていた。矛盾の多い性格だったのかも。

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<ピエール・ボナール>
19世紀末のフランスでナビ派の一員として出発した画家ピエール・ボナール(1867‐1947年)は、浮世絵の影響が顕著な装飾的画面により、「日本かぶれのナビ」の異名を取りました。20世紀に入ると、目にした光景の印象をいかに絵画化するかという「視神経の冒険」に身を投じ、鮮烈な色彩の絵画を多数生み出します。本国フランスでは近年ナビ派の画家たちへの評価が高まり、2015年にオルセー美術館で開催されたピエール・ボナール展では51万人が魅了され、2014年のゴッホ展に次ぐ、歴代企画展入場者数の第2位を記録しました。本展覧会は、オルセー美術館の豊富なコレクションを中心に、国内外のコレクションのご協力を仰ぎ、130点超の作品で構成されるボナールの大規模な回顧展です。油彩72点、素描17点、版画・挿絵本17点、写真30点といったさまざまなジャンルを通じて、謎多き画家ボナールの魅力に迫ります。(HP抜粋)