刑事モース~オックスフォード事件簿~ Endeavour

刑事モース endeavour

皆様は、海外ドラマをご覧になりますか。

12月に入り、「ダウントン・アビー2:Downton Abbey 2」がスタート!
DVDのレンタルをしないで待っていたので、とっても嬉しいです。

英国ドラマ繋がりです。ジャンルも、雰囲気も違いますが、
「刑事モース~オックスフォード事件簿~:Endeavour」をご紹介します。
「Case 7 亡霊の夜想曲」、とっても面白かったです。

犯人にたどり着くまでのプロセスにドキドキします。
そこかしこに小ネタがちりばめられており、
ラスト数分怒涛の如く物語が回収されていきます。
暗く陰鬱なのですが、いつもながら結末が切なくて、余韻のある作品です。

「刑事モース~オックスフォード事件簿~」は
WOWOWで単発で放送される、モース警部の若い頃の物語。
ジャンルはミステリーになります。

ミステリーがお好きでしたら、ぜひご覧ください。

<刑事モース~オックスフォード事件簿~:Endeavour>
初期は「新米刑事モース」というタイトルでしたが、
回を重ねて「新米」ではなくなり、「刑事モース」になりました。

英国の作家コリン・デクスターが生み出し、
「英国で最も好きな探偵」第1位に選ばれたこともあるモース警部。
その人気はシャーロック・ホームズをしのぐという声も。
TV化した「主任警部モース:Inspector Morse」(DVD題「モース警部シリーズ」)は
1987~2000年に全33話が作られ、日本でも人気を博した。
本作は時間をさかのぼり、新米刑事時代のモースを描いた、
前日譚の正統派ミステリー。(WOWOW番組紹介より抜粋)

モース警部の部下ルイスが主人公のスピンオフ「オックスフォードミステリー ルイス警部」が2006年にITVで制作・放送された。この作品ではルイスは警部に昇進している。これまでに9シリーズが制作され、最新作は2015年10月に放送された。アメリカでは”Inspector Lewis” のタイトルでPBSで放送された。(wikiより)

<Case 7 亡霊の夜想曲 さわりのあらすじ(ネタバレなし)>
博物館で、元紋章官ヴァイスの他殺体が見つかる。
遺体の横にはなぜか凶器ではないインドの刀剣カタールが置いてあった。
犯行時に博物館に見学に来ていた女子生徒7名に話を聞くために
モースは女学校を訪れるが、女学校の風変わりな雰囲気にただならぬものを感じる。
そしてまもなく、女学校で失踪事件が起きる。
モースは2つの事件の関連性をにらみ捜査を進めると、
100年前のある事件と関係している可能性が浮上して・・・。

2014年12月15日の感想

パシフィック・リム Pacific Rim

パシフィック・リム Pacific Rim

皆様、お盆は、いかがおすごしでしょうか。

面白い映画作品を観ました。
子供の頃に観ていた、ロボット・アニメが実写になった!
怪獣がリアルに動いている!

ワクワク・ドキドキですね。

「パンズ・ラビリンス: El laberinto del fauno」のギレルモ・デル・トロ監督の、
2013年8月に公開された(ちょうど昨年ですね)、SF怪獣映画です。
「巨大ロボット 対 怪獣」のオリジナル作品です。
大ざっぱなくくりですが、その通りだったりします・・・。

「パンズ・ラビリンス」は、物語、造形美ともに実に素晴らしい作品で大好きですが、
「パシフィック・リム」は、「パンズ・ラビリンス」に比べると、心理的な重厚感はありませんが、
「まあそれでいいか」と思うほど、ワクワク・ドキドキに満ちています。

主人公ローリー役は、チャーリー・ハナム。
日本のアニメでは、主人公は中肉中背、精神的に不安定な少年という感がありましたが、
けっこう筋肉質でたくましく、意志が強い。そして少年ではなく、青年でした。
こういう主人公の方が、海外では共感を持たれやすいのかもしれませんね。

以前、チャールズ・ディケンズの「二コラス・ニックルビー」のニコラス・ニックルビー役でした。
最近では、テレビドラマ「Sons Of Anarchy」というバイク乗りを演じているようです。

菊地凛子がヒロインのマコ役、子供時代を芦田愛菜が演じています。
なんだか嬉しいですね。メキシコ監督同士(chachacha)のネットワークなのでしょうか。

監督お気に入りの役者、ロン・パールマン、ここでもイイ味だしてます。
(「ロストチルドレン」、「ヘルボーイ」は、今となっては彼以外考えられません。)

ステレオタイプではありますが、この作品の若いふたりの科学者も、
マッドサイエンティストです。実際いたら困るけど、必要なキャラですね。

昭和のロボット・アニメ、怪獣映画好きにはたまらない作品です。
よかったらご覧くださいませ。

エンドロールまで楽しませてくれますよ~。

<パシフィック・リム Pacific Rim>
監督:ギレルモ・デル・トロ
脚本:トラヴィス・ビーチャム、ギレルモ・デル・トロ
原案:トラヴィス・ビーチャム
製作:ジョン・ジャッシニ、メアリー・ペアレント、トーマス・タル
製作総指揮:カラム・グリーン

出演者:
チャーリー・ハナム
菊地凛子
イドリス・エルバ
チャーリー・デイ
ロバート・カジンスキー
マックス・マルティーニ(英語版)
ロン・パールマン
芦田愛菜

音楽:ラミン・ジャヴァディ
撮影:ギレルモ・ナヴァロ
編集:ピーター・アムンドソン
製作会社:レジェンダリー・ピクチャーズ

2014年8月16日の感想

別離 ナデルとシミン Nader and Simin, A Separation

別離 A Separation

より良い道を選んでいると信じたいし、選びたい。
けれど、そう思うようにいかないことが、時としてある。

ひとりひとりが、より良く生きようと考えて行動しているのに、空回り。
さらに、周囲を巻き込んで、悲しい循環に陥っていきます。

イラン人の主人公や周囲の人物を、イスラムという宗教や文化は違うのですけれども、
「もしも自分だったら・・・」と置き換えて考えてみますと、
「そういうこと、あるかもしれない」と妙に納得してしまうのです。

そもそも立場が違うということは、利害が一致しないのですから、
和解するということは、非常に難しいわけです。

観ている最中、もやもやした気持ちが晴れることはなく、
観終わった後も、実はほとんど晴れていません。そんな苦しい作品だったりします。

誰も意図していないにも関わらず、結果的には、誰にとっても辛い状況になってしまう。
そんな状況に対して、アスガー・ファルハディ監督は、あえて明確な答えを出しません。

作品では、様々な別離が描かれています。
夫婦、男女、親子、雇用主と使用人、宗教が社会を決める昔の文化と法律が社会を決める現代のイスラム・・・。

「自分だけは悪くない」というエゴのようなものに翻弄されがちです。
誰もが持っているこういう気持ちを手放した時に、
私たちはより良い方向へ進むことができる、と言いたいのかな、と。

そして、「カルマ・ヨガ」をふと思いました。

カルマヨガとは、マットの上でのヨガというよりも、生き方です。
行為の結果に対する思いを放棄し、見返りを求めず私心を交えず行為すること。

<別離 ナデルとシミン Nader and Simin, A Separation  さわりのあらすじ>
テヘランで暮らす妻シミンは、11歳になる娘テルメーの将来のことを考えて、夫ナデルとともにイランを出る準備をしていた。
しかしナデルは、アルツハイマー病を抱えることとなった父を置き去りにはできないと国を出ることに反対。夫婦の意見は平行線をたどり、シミンが裁判所に離婚申請をするが、協議は物別れに終わる。
シミンはしばらく家を出ることとなり、ナデルは父の世話のためにラジエーという女性を雇うことにした。
しかし、ある日、ナデルが帰宅すると、父は意識不明でベッドから落ち床に伏せていた。
ナデルは怒りをあらわにして、ラジエーを問い詰め、彼女を手荒く追い出してしまう。
その夜、ナデルは、ラジエーが入院したとの知らせを受ける。

<別離 ナデルとシミン Nader and Simin, A Separation 出品受賞>
第61回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門に出品。
最高賞である金熊賞と、女優賞、男優賞の2つの銀熊賞の計3部門で受賞。
第84回アカデミー賞で、イラン代表作品として外国語映画賞を受賞。脚本賞にもノミネート

2013年8月7日の感想

ムーンライズ・キングダム Moonrise Kingdom

ムーンライズ・キングダム Moonrise Kingdom

映画の試写会に誘ってもらい、久しぶりに大きな画面で観てきました。

不思議な形の家、システマチックなキャンプ場、教会の建物の構造やインテリアが凝っています。
「こんな家、住みたいな」と思うほど。主人公の少女は物質的には何自由なく暮らしていますが
家族や学校の人間関係などに嫌気がさして、家を出てしまいます。

もう一人の主人公の少年は、ボーイスカウトなので、サバイバル知識を駆使して
(時には、役に立たなかったり)、少女を守ろうとする姿がいじらしい。

風景、インテリア、役者たちの着ている服、小物、映画全体の色使いがどこか懐かしく
なんともいえず可愛いのです。カメラの動きが妙に心地良くてテンポがイイ。
こういう作品、大好きです。

ウェス・アンダーソン(Wesley Anderson)監督の作品は、
割と淡々と物語が進んでいく作品が多いのですが、この作品は珍しいくらい、ドラマチック。

おそらく「この島は、あと3日で破壊的な台風が直撃」というリミット、
追う追われるという人間模様、なにより打算のない若者の愛がテーマだからなのかもしれません。
既に大人になった者にとって(自分も含めて)、甘酸っぱく感じますね。
そんなわけで、彼らの行動は、人生を諦めかけた大人たちに変化を起こしていくのです。

少年少女を囲む出演者も非常に豪華で楽しめます。

「少女がキャンプや山登りにスカート姿」というのは、どうかと思いますが、
駆け落ちだから、トレーニングパンツよりも女子っぽさをアピールできて良いのかも。

とっても面白くて、お勧めです。

<ムーンライズ・キングダム Moonrise Kingdom>
1960年代のニューイングランド島を舞台に、少年少女が駆け落ちする。
彼らを追う保安官と少女の両親やボーイスカウトのリーダー、そしてボーイスカウトたち。

監督・脚本・製作:ウェス・アンダーソン
共同脚本:ロマン・コッポラ
キャスト:ブルース・ウィリス、エドワード・ノーン、ビル・マーレイ、フランシス・マクドーマンド、ティルダ・スウィントン、ジェイソン・シュワルツマン、ボブ・バラバン ほか

<ウェス・アンダーソン(Wesley Anderson)の他の作品>
「アンソニーのハッピー・モーテル」(Bottle Rocket)
「天才マックスの世界」(Rushmore)
「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」(英: The Royal Tenenbaums)
「ライフ・アクアティック」(The Life Aquatic with Steve Zissou)
「ホテル・シュヴァリエク」 (Hotel Chevalier)(13分の短編)
「ダージリン急行」(英: The Darjeeling Limited)
「ファンタスティック Mr.FOX」(原題: Fantastic Mr. Fox)

2013年1月28日の感想

ブンミおじさんの森 Uncle Boonmee Who Can Recall His Past Lives

ブンミおじさんの森 Uncle Boonmee Who Can Recall His Past Lives

アピチャートポン・ウィーラセータクン監督・脚本・製作のタイ映画。

この森では、どうやら過去や現在や未来の境がなくなり、生者と死者の境がなくなるようです。

病気で死を目前にしたブンミおじさん。日常ではありえない出来事が、当たり前のように起こります。

あまりネタバレしない方が良さそうな作品なので、多くを語るのを控えますが、見終わって「?」で頭がいっぱいになりました。観る人それぞれに、テーマやメッセージを違って受け取ることができる、深読みしだすときりがない、いやそれとも、そこまで考えなくていいのだろうか?

人の手の及ばない森という自然。また、人が生きることや人が死ぬことといった自然の摂理。そんな自然や自然の摂理の中では、人はとてもか弱い存在です。人の手の加わっていない森、人よりも長く存在し続けている、やけに湿度の高そうな森の見事さ。観た人それぞれの解釈や感想を聞いてみたい作品です。ご覧になったら、教えてくださいね。

夏を都会である東京で過ごしている私にとって(たまには「ブンミおじさんの森」のような自然の中で過ごしたいものです。そういう意味では、タイの森にいるような感覚を味わえる癒しの映画かも)、「仏教が熱心に信仰されているタイでは、こんなこともあるかもしれないな」「死んだら・・・」なんて、夢なのか現実なのか、前世なのか現世なのか境目が不確かなまま、蒸し暑い中、漂うような時間を過ごしました。

「筋書き」とか、「結末」とか、この作品の中では、あまり重要じゃないのかもしれません。全体的に画面が暗いので眠くなるかもしれませんが、決してつまらない作品でも、退屈な作品でもありません。

森の中をゆらゆらと漂いたくなったら、どうぞ。

<ブンミおじさんの森 Uncle Boonmee Who Can Recall His Past Lives>
監督&脚本&製作:アピチャートポン・ウィーラセータクン
製作:サイモン・フィールド
   :キース・グリフィス
   :シャルル・ド・モー

第63回カンヌ国際映画祭で、タイ映画史上初めてパルム・ドールを受賞。この時の審査委員長はティム・バートン監督。つまり彼の好みということです。ティム・バートン作品は、常に結末が用意されていますが(普通の映画作品では当たり前のことですけども)、「こういった味わいの作品も好きだったのだなぁ」と思いました。

2012年8月22日の感想

追記
名前の日本語発音表記は、アピチャッポン・ウィーラセタクンが最も近いようです。愛称は、ジョーさんです。

2020年、多摩美術大学特任教授。日本ともご縁ある映画監督です。
2021年、「MEMORIA メモリア」(ティルダ・スウィントン主演)が第74回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映され、審査員賞を受賞。

まさか「ブンミおじさんの森」を観た8年後の2020年、タイのドラマにはハマり、浴びるようにタイ語を聞くことになるとは思ってもいませんでした。何が起こるかわからないものですね。2022年11月27日記

グリー glee

グリー glee

「グリー」、ご覧になったことはありますか。

SNSやゲームなどのインターネットメディア事業を展開している会社ではなく、ドラマの方です。
舞台・ミュージカル好き、また音楽好きにも、たまらない海外ドラマです。

「高校合唱部員たちと顧問教師ウィルの奮闘を描くミュージカルコメディー。
ドラマで歌われる楽曲は70年代ポップスから最新ヒット曲まで、世代を超えた名曲が満載!」(webより抜粋)

オープニングとともに「Jump」(1983)ヴァン・ヘイレンが流れ、エンディングは「Don’t Stop Believin’ featuring レイチェル&フィン」オリジナル曲(1981)ジャーニーで余韻に浸ります。毎回テーマにぴったりの楽曲、そして出演者たちのパフォーマンスが素晴らしい。

このドラマでは、アメリカの高校生には定番であるピラミッド型のヒエラルキーがあり、
アメフト部やチアリーディング部に所属することが人気者の頂点であるならば、
グリー部はいじめられっ子や個性的な子の集まったクラブ。
いわゆる「負け犬(ルーザー)」という底辺の扱いを受けています。

内容は青春ドラマではありますが、懐かしい楽曲も多いので、
30代40代50代さらに上の年代の方々も、きっと楽しめるのではないでしょうか。
オリジナルの曲を知っていれば知っているほど楽しめます。
「Somebody to Love」(1976) クイーンとか「smile」チャップリンとか、本当にイイのです。

ゲストの豪華さは、見どころのひとつです。
・ジョシュ・グローバン(Josh Groban)
・クリスティン・チェノウェス(Kristin Chenoweth)
ミュージカル「Wicked」のグリンダ役
代表作「きみはいい人 チャーリー・ブラウン」のサリー役、「ザ・ホワイトハウス」のシリーズ2004年秋からのシーズン、「奥さまは魔女」、「ピンクパンサー」、「プッシング・デイジー ~恋するパイメーカー~」のオリーヴ・スヌーク役など
・イディナ・メンゼル(Idina Menzel)
ミュージカル「Wicked」でエルファバ役
代表作「Rent」モーリーン役、「魔法にかけられて/Enchanted」、「Kissingジェシカ/Kissing Jessica Stein」など
・ジョナサン・グロフ(Jonathan Groff)

一見楽しい能天気なドラマですが、このドラマの製作者たちの意図は、
「自己があるがままの自己として存在するとき、他者からの差別や偏見があったとしても、
自己を表現することを恐れない。自己を表現したとき、自己だけでなく他者をも感動させる」です。

一方、差別される側の人間が悩みながらも自己を解放し歓喜していく課程をドラマで観ることで、
つまり私たちが追体験することによって、「差別・迫害をしない」、「そのままを受け入れる」と
自然と相手を思うことができるのではないでしょうか。

差別される側の人間とは、このドラマの中では、
性格上の個性があること、複雑な家庭環境であること、人種的なもの、宗教的なもの、
同性愛者であること、身体障害者であること、社会での少数派であることなど。

重くシリアスに描こうとすれば重厚感のあるドラマとして描けるものですが、
そこをあえて軽めのコメディードラマに仕上げているところが、とても好感が持てます。

最近の日本の学校でおこっている、すでに犯罪といっていい深刻な「いじめ」。
「自己があるがままの自己として過ごし、自己を表現できる学校・社会であって欲しい」そんな風に思います。

もしよかったらどうぞ。

<gleeとは>
自分を解放し歓喜すること。また合唱部の合唱のこと。
本作品の「グリー」は歌ありダンスありの「ショウ・クワイヤー(Show Choir)」。
エンターテイメント性に富んだパフォーマンスを繰り広げる。

<キャスト&スタッフ>
製作総指揮:ライアン・マーフィー
製作&脚本:ブラッド・ファルチャック
製作&脚本:イアン・ブレナン
ウィル:マシュー・モリソン
フィン:コーリー・モンテース
レイチェル:リー・ミッシェル
スー:ジェーン・リンチ
エマ:ジェイマ・メイズ
クイン:ディアナ・アグロン

2012年7月20日の感想

ミスター・ノーバディ MR.NOBODY

ミスター・ノーバディ MR.NOBODY

2092年の近未来を舞台に、運命が次々と変わっていく男の人生を描いたSF作品。

久しぶりに面白い映画(WOWOW録画)を観ました。
人生は日々選択です。たった1つの道を選んで生きてくわけですが、選ばなかった選択肢はそれこそ無数です。主人公である118歳の老人ニモは、1つの道を選べず、だからこそ無限に広がり、誰でもない存在になってしまいました。

映像が非常に綺麗で凝っています。編集に時間をかけたとのことで、場面と場面の切り替わりが、とってもユニーク。今まで観た他の映画作品の印象的な場面が、別の時空・物語に繋がって広がり、まるで迷宮に迷いこんでしまったかのようです。

「アナとオットー ANA+OTTO:Los Amantes del Circulo Polar」(好きな作品のひとつ。スペイン映画、バスク地方出身の監督フリオ・メデムの作品。フィンランド・ヘルシンキの百夜、画面全体に漂う透明感のあるブルーが印象的。フェレ・マルティネスとナイワ・ニムリ出演)や「バタフライ・エフェクト:The Butterfly Effect」に雰囲気が似ているかもしれません。

「レクイエム・フォー・ドリーム:Requiem for a Dream」に出演していた、吸い込まれそうな瞳のジャレッド・レトーがニモを演じてます。彼の目力は尋常じゃないですね。

レクイエム・フォー・ドリーム
この瞳!

少し話はそれますが、「レクイエム・フォー・ドリーム:Requiem for a Dream」は、2009年のイギリスの映画雑誌「エンパイア」が発表した「落ち込む映画」ランキング第1位!

確かに落ち込む要素満載で、薬物中毒に陥った人々の悲惨な物語です。
あまりの恐ろしさに、観た人は、おそらく薬物には手がでないと思われます。「中学・高校・大学などの授業で、強制的に観せると良いのでは?」と個人的には思うのですけど、いかがでしょうか。ちょっと刺激が強いかなぁ。

「ミスター・ノーバディ」に戻ります。
137分間、飽きることなく、ありえないような、ありえるような(どっちなんだ~)、摩訶不思議な世界に連れて行ってくれます。
自分の選んできた道が、最良だと信じたいものですよね。

<ネタバレなしのあらすじ>
不死が実現した未来で、死を迎える最後の人間となった主人公。彼はありえたかもしれない幾多の人生を語り出す。奇才J・V・ドルマル監督が放つ異色のSFファンタジー。寡作だが作品ごとに世界的な評価を高めるJ・V・ドルマル監督が、「八日目」以来13年ぶりに発表した長編第3作。(WOWOWより抜粋)

監督:ジャコ・ヴァン・ドルマル
出演:ジャレッド・レトー、サラ・ポーリー、ダイアン・クルーガー
   リン・ダン・ファン、リス・エヴァンス、ナターシャ・リトル

2012年6月18日の感想

<薬物依存症とは>
薬物依存症は国際的に認められている精神障害のひとつです。
覚せい剤・シンナー・大麻などの依存性のある薬物を使いつづけているうちに心身に異変が生じ、薬物を使いたいという気持ちが強くなりすぎて、自分ではコントロールできなくなり、現実にいろいろと不都合が生じているにもかかわらず薬物を使いつづけてしまう障害です。

精神科での治療。人生をかける根気のいる治療になります。
またヨーガセラピーも役立つといわれています。

軽い気持ちではじめた若者や薬物とは縁遠かった人々の薬物中毒の恐ろしさをこれ程までに描いた作品は、「レクイエム・フォー・ドリーム」がダントツです。2022年11月26日記

グレーテルのかまど

グレーテルのかまど

皆様にとって、ほっとするお菓子、元気になるお菓子はございますか。
お菓子や食品だけではない、精神的な「元気の源」はございますか。

「グレーテルのかまど」
15代目ヘンゼル役の瀬戸康史くんが、かまど役のキムラ緑子さんと、番組のお菓子作りのスタッフの力を借りて、
テーマとなるお菓子の物語を交えながら、お菓子を作っていくテレビ番組です。

昨年(2011年)から、すっかりはまってしまいました。

美しくおいしそうなお菓子に、毎回「食べたいなぁ」という気持ちでいっぱいになります。
人と人との関係をつなぐお菓子が、本当に良いのですよね。
瀬戸くんと緑子さんのやりとりがとっても可笑しいんですよ。
お菓子を作る男の子は見ていて微笑ましいです。

今まで紹介された物語はこんな感じです。

小津安二郎の「ショートケーキ」、資生堂パーラー
池波正太郎の「ホットケーキ」、万惣(閉店)
手塚治虫の「チョコレート」
正岡子規の「桜餅」
宮沢賢治の「アイスクリーム」
スヌーピー(チャールズ・シュルツ)の「チョコチップクッキー」
イギリスグランマの「フルーツケーキ」
赤毛のアンの「チェリーパイ」

最近(2012年)は、「カンノーリ」
「ゴッドファーザー」に、たびたび登場するイタリアのシチリアのお菓子です。

番組はこのセリフからスタートします。

「うれしいとき、悲しいとき、もうひとふんばりしたいとき。
ひとくち口にすると、何だか元気になってしまうのがスイーツ。
皆さんがよくご存知の「あの人」にも、
スイーツの持つ不思議な力に励まされたり、温かい気持ちにひたった経験が。
そんなスイーツにまつわる数々の物語や思いがけない誕生のドラマをお届けします。」

<グレーテルのかまどのコンセプト(以下HPより抜粋)>
仕事や子育てに追われながらも「ひと息つける自分の時間」を大切にしたい。
そんなオトナの女性のために「美しく」「優しく」「柔らかく」 スイーツに迫る。

<グリム童話「ヘンゼルとグレーテル」>
それは「お菓子の家」が象徴する甘いお話・・・というわけではありません。
物語は、お菓子の家の「かまど」をのぞきこんだ魔女の背中をグレーテルが突き飛ばす、という壮絶なラストをむかえます。

自らの才覚でたくましく人生を切り拓いた女の子・グレーテル。
番組はすべての現代の「オトナになったグレーテルたち」に向けて制作。
甘いだけじゃない、厳しさやつらさもかみしめる大人の女性にこそ満足してもらえる、
深くて美しいスイーツの物語をお届けします。

2012年5月4日の感想

NHK Eテレが2011年に放送を開始。
現在2022年ですから、11年続いている番組になりました。

十五代ヘンゼル&ナビゲーター瀬戸康史君は「鎌倉殿の13人」に出演中。
役者のキャリアと同じように、お菓子続作りのキャリアも相当なものです。

かまどの声&ナレーションのキムラ緑子さんとのほっこりした会話が私は大好きです。
ちなみにヘンゼルの姉は、黒板に謎のメッセージを残し、お菓子完成時に帰ってくる設定ですが、
今まで番組に出演したことはなく、幻のキャラクターです。

あんこや和菓子、甘みの強いお菓子は私自身は得意ではありませんが、
美しく美味しいお菓子に心をなぐさめられる人々の物語にはいつも共感しています。2022年11月25日記

ベニスに死す DEATH IN VENICE

ベニスに死す DEATH IN VENICE
ベニスに死す DEATH IN VENICE
ルキーノ・ヴィスコンティ Luchino Visconti

かつて南池袋にあった小さな地下の映画館「ACTシアター」
(正式名称:ACT SEIGEI THEATER)を憶えていますか。
西早稲田のACTミニ・シアター(経営は同じだったようです。うーん、懐かしい。
ちなみに赤坂のACTシアターではありません。)

学生時代、こちらでデレク・ジャーマンにはまり、
そして、ルキーノ・ヴィスコンティの「ベニスに死す」「地獄に堕ちた勇者ども」を観て、
タッジオ少年の完璧なまでの美しさに、すっかりやられてしまいました。

美をつくり出すものが美しいかというと、そうでもなく(そういうこともありますが)、
美をつくり出すこともなく、また美について思考しなくても、
その者の存在がすでに「美」そのもの、ということがある。
創作活動をしている全ての人間は、この種の存在に激しく憧れながらも、
その存在にはけっしてなり得ず、なんて遠いんだろうと強烈に感じました。

この名作が、ニュープリントになって銀座テアトルシネマで再上映です。

「水の都ベニスで、至高の美少年に魅せられた芸術家の苦悩と恍惚。
マーラー交響曲第5番アダージェットに永遠の輝きを与えた、
巨匠ヴィスコンティの最高傑作であり、総合芸術の頂点。」(HP抜粋)

キャッチコピーは、「美は滅びない」です。

タッジオ役のビョルン・アンドレセンの輝きをぜひご覧くださいませ。

2011年10月17日の感想

2019年ホラー映画「ミッドサマー」では老人役で出演しました。
2021年の「世界で一番美しい少年(The Most Beautiful Boy in the World)」がサンダンス映画祭で発表されました。
この作品は、ビョルンの人生を描いたドキュメンタリーです。
ヴィスコンティ監督や祖母、大人たちに性的搾取されてきたことを告発。
人間不信に陥っていたため、撮影承諾までに3年を要したとのこと(wikiによる)

フィルムでの輝きと実生活での辛い経験がまるで光と影。
なんとも言えない気持ちになりました。
それでも彼を素晴らしいと思う私のような人間もいるわけでして。
おこがましいけれど、彼にとっての良い人生を陰ながら祈っています。2022年11月24日記

SHERLOCK シャーロック

SHERLOCK シャーロック

コナン・ドイルのシャーロック・ホームズは好きですか?

小説、昔ながらのBBCのドラマシリーズ、映画も大好きなので、何の情報もないまま
2011年8月にNHK-BSで3夜連続で放送されたこの「SHERLOCK」(BBC)を観ました。
英グラナダTVの「シャーロック・ホームズ」が最高だと思っていましたが・・・。
 
ものすごく、面白かったです!

ネタバレしちゃうと大変なのであまり物語にはふれませんが、
時代設定は現代のロンドンになり、ホームズは自称「コンサルタント探偵」です。

現代ならではのスマートフォンを捜査に使ったり、
シャープでスピード感あるドラマに仕上がっています。
少し落ち着いた暗めの雰囲気、英国物らしいユーモアもたっぷりです。

ホームズの変人っぷり、相棒ワトスンとのやりとりが、本当にイイ感じです。

「シャーロック」「ジョン」と、お互いをファーストネームで呼び合うんですよ。
原作の小説や映画などでは、大抵ファミリーネームで呼び合っていますから、
この辺が、とても今日的ですね。対等な関係、これが特徴の一つかもしれません。
ワトスンがトラウマを抱えているという、このドラマならではの解釈がすごく納得です。
お互いを尊重している雰囲気がたまらないですね(ゲイと勘違いされちゃったり)

ホームズとワトスンの関係だけでなく、
ホームズとホームズのエリートなお兄さんマイクロフトとの関係も注目です。

ジム・モリアーティ役のアンドリュー・スコット、とても素敵ですよ!

機会がございましたら、ぜひご覧くださいませ。

<出演> 
シャーロック・ホームズ: ベネディクト・カンバーバッチ
ジョン・ワトスン: マーティン・フリーマン
レストレード警部: ルパート・グレイヴス
ハドソン夫人: ウーナ・スタッブズ
マイクロフト・ホームズ: マーク・ゲイティス(製作総指揮のひとり)
ジム・モリアーティ: アンドリュー・スコット

<製作総指揮>
スティーブン・モファット、マーク・ゲイティス、ベリル・バーチューほか

SHERLOCK シャーロック NHK海外ドラマ
BAFT(英国アカデミー賞)受賞

<ジョン・ワトスンのブログ>
小説ではワトスンが事件を記録したことになってるように、このドラマはブログに事件を記録します。(英語)
ドラマ放送中は、ブログ(英語)公開していました。

ワトスンって発音しますか?それともワトソン?
すごく迷っちゃいますね。(どっちでもいいですね)

2011年9月14日の感想

<作品リスト>
第1シリーズ 2010年
「ピンク色の研究」 ”A Study in Pink”
「死を呼ぶ暗号」 “The Blind Banker”
「大いなるゲーム」 ”The Great Game”

第2シリーズ 2012年
「ベルグレービアの醜聞」 ”A Scandal in Belgravia”
「バスカヴィルの犬(ハウンド)」 ”The Hounds of Baskerville”
「ライヘンバッハ・ヒーロー」 ”The Reichenbach Fall”

クリスマス・ミニエピソード 2013年
「幸せな人生を」 ”Many Happy Returns”

第3シリーズ 2014年
「空からの霊柩車」 ”The Empty Hearse”
「三の兆候」 ”The Sign of Three”
「最後の誓い」 ”His Last Vow”

特別編 2016年
「忌まわしき花嫁」 ”The Abominable Bride”

第4シリーズ 2017年
「六つのサッチャー」 ”The Six Thatchers”
「臥せる探偵」 ”The Lying Detective”
「最後の問題」 “The Final Problem”

追記

回を重ねるごとにベネディクト・カンバーバッチとマーティン・フリーマンが息の合ったコンビとなりました。
小ネタの沢山つまった大変面白いドラマでした。

余談になりますが、このドラマ一押(一推し)のアンドリュー・スコットが
「Fleabag フリーバッグ」ではセクシーな神父さん役で、
これまたとても良かったです。2022年11月23日記