「グリー」、ご覧になったことはありますか。
SNSやゲームなどのインターネットメディア事業を展開している会社ではなく、ドラマの方です。
舞台・ミュージカル好き、また音楽好きにも、たまらない海外ドラマです。
「高校合唱部員たちと顧問教師ウィルの奮闘を描くミュージカルコメディー。
ドラマで歌われる楽曲は70年代ポップスから最新ヒット曲まで、世代を超えた名曲が満載!」(webより抜粋)
オープニングとともに「Jump」(1983)ヴァン・ヘイレンが流れ、エンディングは「Don’t Stop Believin’ featuring レイチェル&フィン」オリジナル曲(1981)ジャーニーで余韻に浸ります。毎回テーマにぴったりの楽曲、そして出演者たちのパフォーマンスが素晴らしい。
このドラマでは、アメリカの高校生には定番であるピラミッド型のヒエラルキーがあり、
アメフト部やチアリーディング部に所属することが人気者の頂点であるならば、
グリー部はいじめられっ子や個性的な子の集まったクラブ。
いわゆる「負け犬(ルーザー)」という底辺の扱いを受けています。
内容は青春ドラマではありますが、懐かしい楽曲も多いので、
30代40代50代さらに上の年代の方々も、きっと楽しめるのではないでしょうか。
オリジナルの曲を知っていれば知っているほど楽しめます。
「Somebody to Love」(1976) クイーンとか「smile」チャップリンとか、本当にイイのです。
ゲストの豪華さは、見どころのひとつです。
・ジョシュ・グローバン(Josh Groban)
・クリスティン・チェノウェス(Kristin Chenoweth)
ミュージカル「Wicked」のグリンダ役
代表作「きみはいい人 チャーリー・ブラウン」のサリー役、「ザ・ホワイトハウス」のシリーズ2004年秋からのシーズン、「奥さまは魔女」、「ピンクパンサー」、「プッシング・デイジー ~恋するパイメーカー~」のオリーヴ・スヌーク役など
・イディナ・メンゼル(Idina Menzel)
ミュージカル「Wicked」でエルファバ役
代表作「Rent」モーリーン役、「魔法にかけられて/Enchanted」、「Kissingジェシカ/Kissing Jessica Stein」など
・ジョナサン・グロフ(Jonathan Groff)
一見楽しい能天気なドラマですが、このドラマの製作者たちの意図は、
「自己があるがままの自己として存在するとき、他者からの差別や偏見があったとしても、
自己を表現することを恐れない。自己を表現したとき、自己だけでなく他者をも感動させる」です。
一方、差別される側の人間が悩みながらも自己を解放し歓喜していく課程をドラマで観ることで、
つまり私たちが追体験することによって、「差別・迫害をしない」、「そのままを受け入れる」と
自然と相手を思うことができるのではないでしょうか。
差別される側の人間とは、このドラマの中では、
性格上の個性があること、複雑な家庭環境であること、人種的なもの、宗教的なもの、
同性愛者であること、身体障害者であること、社会での少数派であることなど。
重くシリアスに描こうとすれば重厚感のあるドラマとして描けるものですが、
そこをあえて軽めのコメディードラマに仕上げているところが、とても好感が持てます。
最近の日本の学校でおこっている、すでに犯罪といっていい深刻な「いじめ」。
「自己があるがままの自己として過ごし、自己を表現できる学校・社会であって欲しい」そんな風に思います。
もしよかったらどうぞ。
<gleeとは>
自分を解放し歓喜すること。また合唱部の合唱のこと。
本作品の「グリー」は歌ありダンスありの「ショウ・クワイヤー(Show Choir)」。
エンターテイメント性に富んだパフォーマンスを繰り広げる。
<キャスト&スタッフ>
製作総指揮:ライアン・マーフィー
製作&脚本:ブラッド・ファルチャック
製作&脚本:イアン・ブレナン
ウィル:マシュー・モリソン
フィン:コーリー・モンテース
レイチェル:リー・ミッシェル
スー:ジェーン・リンチ
エマ:ジェイマ・メイズ
クイン:ディアナ・アグロン
2012年7月20日の感想