内藤礼 生まれておいで生きておいで 東京国立博物館

内藤礼2024の1

それぞれ離れた展示室3か所を、歩いて巡ります。
宝探しをするように。

2か所目の本館1階ラウンジの自然光の中、作品を観る。
はじめてシャッターや窓が開かれ、やさしい光が差し込み、
床のカーペットがはがされ、元々のタイルが出現している会場。

縄文時代の土製品、ぶら下がったキラキラしたもの、
固そうな紙に描かれた絵、石のようなもの、木の棒。

1万年前の縄文時代から、
手のひらにちょこんとのる小さな生活感のある物を創っていたんだ、
今の私たちと同じなのだなと、
昔に生きていた人が、急に近くに感じたりして。

居合わせた見知らぬ人たちの表情や会話も含めて、
肩の力が抜けた、ほっとした、穏やかな気持ちになる展示でした。

東京国立博物館テラス2024の1、ドアごしの
ドアごしのテラス

東京国立博物館テラス2024の2
テラスからの庭

東京国立博物館テラス2024の3

東京国立博物館2024の11、閉じられた窓
シャッターが開かれるなんて

東京国立博物館2024の5、池

東京国立博物館2024の6、庭から東博、蓮池
庭からテラスをのぞむ こちらから、あちら

東京国立博物館2024の9、蓮の花

内藤礼2024の2

<生まれておいで 生きておいで>
本展は、当館の収蔵品、その建築空間と美術家・内藤礼との出会いから始まりました。内藤が縄文時代の土製品に見出した、自らの創造と重なる人間のこころ。それは、自然・命への畏れと祈りから生まれたものであり、作家はそこに「生の内と外を貫く慈悲」を感じたといいます。会期中、自然光に照らし出される展示室では、かつて太陽とともにあった生と死を、人と動植物、人と自然のあわいに起こる親密な協和を、そっと浮かび上がらせます。本展を通じて、原始この地上で生きた人々と、現代を生きる私たちに通ずる精神世界、創造の力を感じていただけたら幸いです。(公式HPより)

<内藤礼>
1961年広島県生まれ、現在東京を拠点に活動。「地上に存在することは、それ自体、祝福であるのか」をテーマに作品を制作。その作品制作において「生と死」は分別できないものとして問われている。光、空気、水、重力といった自然がもたらす事象を通して「地上の生の光景」を見出す空間作品を生み出してきた。
これまでの主な個展に「地上にひとつの場所を」佐賀町エキジビット・スペース(東京、1991年)、「地上にひとつの場所を」第47回ヴェネチア・ビエンナーレ日本館(1997年)、「Being Called」カルメル会修道院(フランクフルト、1997年)、「すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」神奈川県立近代美術館 鎌倉(2009年)、「信の感情」東京都庭園美術館(2014年)、「信の感情」パリ日本文化会館(2017年)、「Two Lives」テルアビブ美術館(2017年)、「明るい地上には あなたの姿が見える」水戸芸術館現代美術ギャラリー(2018年)、「うつしあう創造」金沢21世紀美術館(2020年)、「breath」ミュンヘン州立版画素描館(2023年)がある。
恒久展示作品に「このことを」家プロジェクト きんざ、ベネッセアートサイト直島(2001年)、「母型」豊島美術館(2010年)がある。1994年日本現代藝術奨励賞(インスタレーション部門)、2003年第一回アサヒビール芸術賞、2018年第60回毎日芸術賞、2019年第69回芸術選奨文部科学大臣賞(美術部門)受賞。(公式HPより)

東京国立博物館2024の10、烏

神護寺 東京国立博物館

神護寺2024

空海の寺、神護寺。
1200年の至宝終結

上野の神護寺展に行って参りました。
弘法大師霊場である京都の高雄の静謐な雰囲気を感じつつ。

数々の国宝が展示されていました。
最も魅力的で時間をかけて拝見したのは、
「両界曼荼羅(高雄曼荼羅)」です。

曼荼羅とは、密教の世界を、
密教の悟りの境地である宇宙の真理を、
文字を介さずに、わかりやすく伝えるものと言われています。

「両界曼荼羅(高雄曼荼羅)」は対になっています。
金剛界曼荼羅 『金剛頂経』の教え
胎蔵界曼荼羅 『大日経』の教え

実物のサイズの大きさに圧倒されます。
長い時を経て大事に伝えられていること、
今に通じていることに、心動かされます。

下記代表的な展示
・両界曼荼羅(高雄曼荼羅)
・灌頂暦名
・大般若経 巻第一(紺紙金字一切経のうち)
・釈迦如来像
・薬師如来立像
・伝源頼朝像
・伝平重盛像
・伝藤原光能像
・山水屏風
・五大虚空蔵菩薩坐像

観終わってから、お庭を散歩しました。
TOHAKU茶館という応挙館を使ったカフェがあり、
自然の中に佇む風情が素敵でした。

暑い日でしたが、ただゆっくりと歩いているうちに、
清々しい気持ちになりました。

東京国立博物館2024の12、縁日
この提灯は、東博主催の縁日のため

東京国立博物館2024の2、カフェ

東京国立博物館2024の3、カフェ

東京国立博物館2024の4、池

東京国立博物館2024の8、庭から東博

東京国立博物館2024の7、蓮の花

空也上人と六波羅蜜寺 東京国立博物館

空也上人2022の1

京都の波羅蜜寺でしか拝見できないと思っていましたが、
今回、東京上野に。
半世紀ぶりのお寺の外にお出ましなのだそうです。

空也上人が「南無阿弥陀仏」と称え行脚していた時代と、
今私たちが生きているコロナウイルスのこの世の中。
おそらく同じような不穏で不安な社会状況であったろうと思います。

教科書でみたことのある仏像をこんなに一度に拝めるとは。
これらの像は、心のよりどころとなる宗教的な像でありつつ、
美術作品としても本当に素晴らしくて。
その辺の線引きはいろいろありますから、難しいところですが。

<空也上人像>
お背中、アキレス腱など、360度ぐるりと堪能できます。
口から紡ぎ出される、「南無阿弥陀仏」を表現した仏様たち。
運慶の四男作。運慶ファミリー恐るべし。

皆が救いを求める気持ちがよくわかります。

平安時代や鎌倉時代に生きていた人びとと私たち、
時代もだいぶ違いますし、信心深い方ではありませんが、
それでも共感できることの多さを感じたひとときでした。

空也上人2022の2

上野公園、松の輪2022

縄文 1万年の美の鼓動(縄文展)@東京国立博物館 平成館

「ニッポンの、美の原点。」

縄文1

光、闇、天、地、海、山、森、川・・・。
自然とともに生きてきた縄文の人々。
今回、北から南まで、さまざまな作品が勢ぞろい。
どの作品もエネルギーにあふれています。

子供から大人まで楽しめる展示です。
教科書に掲載されていた「遮光器土偶」の不思議さ。

縄文6

生活習慣や文化、宗教観など、今も研究中で、
まだよくわかっていないことも多く、
そのあたりもワクワクしますね。

別室の、国宝6作品がみどころです。

縄文3

縄文4

縄文5

縄文2