音楽の在りて 萩尾望都著 イーストプレス
大好きな漫画家・萩尾望都先生の初の小説集です。
20代の頃「奇想天外」に掲載していたSF短編小説と中編小説。
「左ききのイザン」(「半神」に収録)のペアの作品となる「ヘルマロッド殺し」、
音楽家がとある星で遺跡発掘中に見つけたものとは・・・、
宇宙で出会った異星人と会話してみたら・・・、宇宙で難破船に遭遇し・・・、
少女時代の漫画を通じて人と繋がった話など。
「美しの神の伝え」(中編小説)
「神の存在と自我の芽生え」という作者の永遠のテーマ。
「理想的な人類を作ろう」とする過程の物語。
何かの神話を読んでいるよう。頭の中に絵が浮かんできます。
ちょうど「私を離さないで」と同じ頃に読み、
あまりにもシンクロしている部分が多くて。
20代のころから取り組んでいる望都先生の想像力に感服。
軽くて可笑しな作品、「そういうオチなのね」という作品、
神々しい重厚な作品まで、萩尾望都ワールドが広がり、楽しみ浸ることができます。
全てのストーリーが、望都先生の(自分の好きな頃の)漫画の絵として、
はっきり頭の中にイメージされるので、ちょっと普通の小説と違う、不思議な感覚。
代表作
「11人いる!」、「ポーの一族」、「トーマの心臓」、「百億の昼と千億の夜」
「メッシュ」、「銀の三角」、「モザイク・ラセン」、「マージナル」、「A-A’」、
「イグアナの娘」、「残酷な神が支配する」、「バルバラ異界」など
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2011年11月2日の感想